ドラクエ8 3DS版 やりました。

    今回はドラクエのお話ですので興味のない方はスルーしてくださいね。

    ゲームの世界の常識も 知識もないおばさんが
    ドラクエ8をプレイしてみた個人的感想です。
    ネタバレ ネガティブな発言もしていますので、
    そういうのがイヤな方もスルーでお願いします。





    いや~めちゃくちゃ面白かったです。ドラクエ8\(^o^)/

    何が面白かったって?そりゃもう色々ありすぎるくらいありますが
    まずは”ベルサイト”としては これを上げないわけにはいかないでしょう。

    主人公が近衛隊士で、8歳の時に城に引き取られて
    その城のお姫さまと幼なじみの関係であるということ。


    このシュチだけでも萌えてきますよね。
    さらに冒険に旅立つ目的がこのお姫さまと城にかけられた呪いを解くためで
    最後にはこのお姫さまと結婚しちゃうというんですから 
    そりゃ頑張るというものですよ。
    あっちなみに下の画像はエンディングの時のものではありません。

    さて、ゲーム自体ですがドラクエ8のタイトルにある
    「空と海と大地と呪われし姫君」の名に恥じぬ美しい世界でした。

    中世ヨーロッパを思わせる世界観を中心に 雪国 異世界 遺跡などなど
    多彩なフィールドが用意されていて そのどれもが素晴らしかったです。
    正直、3DSでここまでできるものかと感動しました。

    新郎の衣装はないのでゴシックコートとゴシックミトラ 「馬の時は体が真っ白だから かくれんぼをやれば ミーティアは一等賞ですね」みたいなことをおっしゃっていました

    ゲーム中 サブ的なお楽しみで写真を撮るクエストがあるのですが
    これだけ美しいとそのクエストもとっても楽しかったです。

    さらに 金のスライムを探して写真を撮るお題がけっこう難しくて
    見つけた時は やった!ってちょっと興奮しちゃいました(笑)

    ストーリーですが、暗黒神を倒しお姫さまを救うという王道RPGでありながら
    意外な展開が次々と起こり 思いがけない各イベントのつながりと意味が
    ゲームを進めていくうちにあきらかになっていきます。

    それはもう 面白くて 先を急ぐあまりろくろくレベルも上げぬまま突っ走っていたら
    トロデ王に「おまえはムキムキになるのがいやなのか?」
    みたいなことを言われる始末でした(笑)

    ネタバレですが 七人のさる人物達が殺されてしまうと暗黒神が復活してしまうので
    それを食い止めつつ 呪いを解くために奮闘するという展開になります。
    とはいえ ぶっちゃけ、暗黒神が復活してくれないと 
    ドラクエ的ラスボスを倒すが成立しないので
    頑張っても 頑張っても 次々殺されていってしまうんですよね。

    今までのドラクエは 小さな問題を解決し、成功体験を積みながら
    どんどん勇者たちが成長して、最終的に魔王を倒して世界を救うという
    究極の成功体験を味わうパターンが多かったのですが
    ドラクエ8では先ほど述べたように 七人が最終的には亡くならなければ
    ならないので どうしても手遅れになってしまうため 挫折体験が多くなります。

    それなのに、ぜんぜん暗くならないどころかすっごく明るく楽しいのは 
    他にも様々なイベントが用意されていることと美しい景観であるということ 
    そしてなにより 魅力的なキャラ達のおかげですね。

    特に最初からの旅の仲間、トロデ王とヤンガスは
    ずっとムードメーカーだった気がします。
    こんな仲間と旅が出来るなら つらさも半減するよねと思えました。

    魅力的なキャラと言えばやはりククール。
    彼と彼の兄マルチェロの物語は
    それだけでコミック化しても売れそうなくらいです。

    とにかく登場人物が多彩で それぞれがそれぞれの物語をもっており
    時に感動し 時に涙しながら 彼らの物語を味わっていくことになります。

    もちろん、モンスターも可愛くて戦っていて とても楽しかったです。
    ザバン やオセアーノン、ドン・モグーラなどなど愉快なボスキャラをはじめ
    スライムプディング、さくらんじゅなど楽しいモンスターにあふれています。
    何と言ってもドラクエは戦闘が醍醐味ですからね。

    技も多彩で面白いものからカッコいいものまでそろっています。
    全部見たくてスキルのたね集めをしています(笑)

    ただ 単純にレベルを上げて 
    数値の高い装備をすればいいわけではないのも面白いところです。
    クリア後のやりがいのあるダンジョン。私はLv99でも苦戦しました(笑)

    こんなにも素晴らしいゲームなのですが 気になることがありました。
    ミーティア姫(呪われし姫)がとっても損しているのではないかということです。

    このお姫さま 美しくて 優しくて 歌やピアノが上手という
    実にお姫さまらしいお姫さまです。

    そして、このゲームのヒロインであり 
    エイト(主人公)とずっと旅をする最重要人物なのです。

    始めは呪いで馬にされた姿で登場します。
    この馬が実に 実に 愛らしくて気品があり

    ああ、本当にお姫さまが馬にされているのだなと素直に納得できてしまうのです。

    そりゃもう犯罪レベル。思わず獣か…(ごほっごほっ)つい犯し…(わー!!!)

    とっとにかく すごくいいんです!でも、これが”損”の始まりでして
    初っ端からお姫さまの元の姿に過剰な期待を抱いてしまったんですね。
    その後も 行く先々で 姫は美しい ボン キュッ ボン だと
    褒めちぎられているのでますます期待は高まるばかり。

    それなのにぜんぜんそのお姿が拝見できない。
    途中 過去を振り返ったセピア色のアニメがあるのですが顔は見えません。

    ゲームをかなり進めてもまったく分からないままなので 
    これはとんでもないサプライズがあるのではと期待しちゃいました。
    なんせ、お馬さんのミーティア姫可愛すぎましたし。

    なので不思議な泉で初めてお顔を拝見した時は

    えっ?これだけ?

    って思ってちょっとがっかりしちゃいました。
    別にミーティア姫の容姿にがっかりしたというわけではないんです。

    それを見るだけで”あっそれってミーティア姫だよね”と思える
    特徴的な何か特別なサプライズがあると思っていたのに
    なかったことにがっかりしたんです。

    例えば馬蹄型の特殊なアクセサリーを身に着けていて
    「これはおばあさまに頂いたのよ。幸運を呼ぶのですって。
    きっと、ミーティアがお父さまのように怪物にならずに
    お馬さんになったのはこれのおかげね。
    よかったわ。お馬さんならみなさんの馬車をひくお手伝いができるもの」
    みたいな展開とか。

    何もないなら、こんなにもったいぶらずに
    早く見せてくれればいいのにと思います。

    というのも このゲームでいかにエイトと姫が思い合っているかは
    とても重要なポイントだと思うのです。

    それをここまでの間 感じることが出来ないのは
    ずいぶん”損”な気がします。

    例えば、ドラクエでよくある「~に泊まった そして、夜があけた」
    みたいな強制宿泊イベントを複数用意してこれまでのエイトと姫の物語を
    夢という形でセピア色のアニメで見せてくれたら良かったのにと思います。

    1夜目 後半で出てきた 二人の出会いのアニメをセピア色で
    2夜目 二人で 出かけて迷子になったエピソードを語りではなくセピア色のアニメで。
        最後城が見えたところで二人で抱き合って
        ピョンピョンとかしたら可愛いですよね。

    で、さらに、

    3夜目 少し大きくなった二人。中庭階段上から
        姫がエイトに声をかけて降りてこようとするけれど
        侍女が現れ 連れて行かれピアノの稽古をする。
        エイトもミーティア姫の方を見るけれど 
        水汲みの仕事をしなければならない。
    4夜目 剣の稽古をするエイト。やがて、兵士の試験に受かり
        晴れて 近衛隊士として 姫の傍に参上し 
        これからは兵士としてあなたを傍で守ります
        という感じに跪く。

    とこんな感じでやっていただけたら 
    二人の関係性が分かりやすかったじゃないかと思うんです。
    そのうえで不思議な泉で今までセピア色の夢でしか会えなかった姫が
    フルカラーで姿を現してくれたなら 感動で胸が熱くなったと思います。

    本当はゲーム中でミーティア姫が王に頼んでエイトを近衛にしてもらったというんですが
    何かそういう感じより 姫を守りたくて頑張って自分で近衛になりましたという方が
    個人的に好きなので変えちゃいました。

    不思議な泉以降 宿に泊まったり 泉の水を飲むと束の間 
    人間のミーティア姫に会えるのですが これがまた”損”しているんですね。

    というのも タイミングが難しいんです。
    前回よりも歩数を一定程度稼いでいないと
    「おなか いっぱい・・・」とかなんとか言って水を飲んでくれないし、
    イベントが進んでいないと 「楽しい時を過ごした」みたいなこといって
    終っちゃうし、さりとて進めすぎると見逃すしで(笑)

    宿屋も同様でタイミングが難しい。
    このゲーム レベルアップの時HPとMPが満タンになるし
    不思議な泉で無料で回復できるので宿屋に泊る必然性がないんですよね。
    つまり わざわざミーティア姫に会うためだけに泊まっているということです。

    一生懸命 姫に会いたくて泉や宿屋に行って空振りすると
    姫は悪くないのに”損”した気分になってしまいます。

    さらにこれは強制イベントではないので
    プレイヤーによっては ほとんど見ることなく終わってしまうこともあります。

    そうなると 姫とエイトが愛し合っている実感がぜんぜんないままエンディングをむかえ、
    二人が手に手を取ってもしっくりこない場合もあるのではないでしょうか

    もっとも、このお姫さまイベント ずっとお姫さまの一人語りなので
    回数見てしまうと ちょっと飽きてしまいますし、
    ミーティア姫が気品あるお姫さまというより 恋愛ゲームの萌えキャラみたいに
    思えてしまいそうになります。

    せっかく 姫と一緒に旅をしているのだから
    わざわざ こんなことしなくても なかまと話す画面で
    馬のミーティア姫にコマンドを当てて話せればいいと思うんです。

    例えば、不思議な泉の老魔術師に
    「おお!そなたには不思議な力があるようじゃな。
    これならば心眼が開眼できるやもしれん」とかなんとか言われて
    エイトだけ ミーティア姫を心の目で見ることが出来るようになったことにして
    お馬さんのミーティア姫を指定すると 他の仲間はモノクロになって
    姫が人間になってエイトとだけ話すなんてどうでしょう?
    ”おれだけのお姫さま”って感じになっていいと思うんですが。

    そして、最大の”損”が手ごわいライバルがいたこと
    そう、ゼシカです。

    ゼシカはいわば戦闘パーティーのメンバーなので
    待遇は抜群にいいわけです。

    出番も多いし、戦闘に加わっていれば当然目にします。
    可愛い仕草の特技もあるし、衣装チェンジも男心をくすぐるものがいっぱい。
    ミーティア姫は装備がないので 最後のウェディングの時まで着た切り雀(笑)
    圧倒的に姫は不利なわけです。

    前上のように ほとんどエイトとミーティア姫の関係を知ることなく
    ゲームを進めてしまったプレイヤーなら
    ゼシカの方が可愛くなってしまっても仕方ないかもしれません。

    ドラクエというゲームは仲間を育てるのも醍醐味のひとつ。
    レベルを上げて 装備を整え スキルの配分に悩んで自分好みのキャラにしていく。
    そうして、ともにボスを倒し イベントをこなしていくわけですから。

    そんな彼女に対抗してエイトに結婚したいほどの恋心を抱かせる何かが
    ミーティア姫には必要な気がします。

    それには姫の活躍シーンが もう少し多くてもいいのではないでしょうか。
    あれだけのキャラなのに出番が少なくて”損”しています。
    それらしいものと言えば 石を投げられるお父さまを庇うシーンと
    船のイベントくらいです。船の時、光り輝く姿で人型をとっても良かったんじゃないかな。

    せめて、後2つくらい ゼシカとエイトがリーザス村に泊まった時のイベントみたいなものが
    ミーティア姫とエイトの間にあってほしかったです。

    でないと 心の底からエンディングが楽しめませんもの。

    ついでに言ってしまうと エンディングでもゼシカの方が
    分が良い気がしたのは気のせいでしょうか?

    4つのエンディングとも 何故かエイトがみんなに行け行け言われて
    行った感じがなんとなくします。最後なのに何かなさけないんですよね。
    特にゼシカ結婚エンドなんか クラビウス王に散々な言われようで可哀想でした。

    例えば、チャゴスとの式に臨んでいたミーティア姫が結婚の誓いの時
    「わ…わたし…やっぱり 誓えません!神の前で嘘はつけません!」
    と泣きながら言って で、チャゴスが
    「なんだと?!何を言い出すんだ! おまえはぼくの妃になる約束だろ!誓え!誓うんだ!」
    と言って 殴ろうとするのを 式の警護をしていたエイトが思わず突き飛ばして
    ミーティア姫を守るというのはどうでしょう?
    私としては やっぱりエイトには 大切な姫を自ら守りに行ってもらいたいんですよね。


    と、ゲームの事なんか何にも知らないくせに、グダグダ書いてまいりましたが 
    ドラクエ8 最高に面白いです☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

    今まではドラクエ3が一番好きでしたがこれからは8になりそうです。

    彼もおとなしくてひかえめなのにできる人

    ドラクエ11の冒険にも いつか旅立ちたいなと思います。
    こんな素晴らしいゲームシリーズがある時代に
    生まれこれて本当に良かったなと感じています。

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    ドラクエ7 SS 「二人の力で…」<4>

    <それから 時は流れて…>

    「本当に行くの」
    「もちろん、この時のために 剣の修行を積んできたんだぜ」
    「子供だけで大丈夫かな?」
    「何言っているんだよ!お前はあのアルスの子孫じゃないか!」
    「そうだけど…」
    「今は魔物もいないし 我慢に我慢を重ねて溜めたお小遣いもある」
    「これで足りるかな?」
    ジャラジャラGの入った袋を開けてみる。
    「おお!頑張ったな!おれより多いんじゃないか?」
    「へっへっ 父さんの手伝い 沢山したからね」

    「オレの祖先のキーファも18歳で旅に出たんだ」
    「うん!ボクもアルスと同じ16歳になった。そうだね。約束だった。
    この年になったら 旅に出るって!」
    二人はガシッと手を組んだ。

    「やっぱり コソコソしていると思ったら」
    「ゲッ!」
    「何がゲッ!よ。マリベルの子孫のあたしをまさか除け者にする気じゃないでしょうね」
    「あっでも…女の子だし…」
    「マリベルも女の子だったわよ」
    「そうだ!マリベルは確か旅の途中でホームシックにかかって家に帰っちゃったんだよね。
    やっぱり女の子に旅はきついんじゃない?」
    「失礼ね!マリベルはホームシックになったんじゃなくて 
    倒れた父親の為に一時的に帰っただけよ!」
    「そうかな?」
    「きっと、そうよ!」
    「まっ 昔のことなんて 本当のことは分からないよ。
    でも、今、君が帰る気が無くて ボク達についてくる気満々なのは分かる」
    「だな、言って分かるやつじゃないし」
    「何よ!付いて行くんじゃないわ!
    あんた達だけじゃ心配だから付いて行ってあげるのよ!」

    男の子たちは顔を見合わせて諦めたように笑う。

    「よし!それじゃ行こうか。勇者ゆかりの聖地巡礼の冒険へ!」

    END

    ドラクエSS「二人の力で…」は今回が最終回です。
    お読みいただきありがとうございました。


    ドラクエ7 SS 「二人の力で…」<3>

    < とどめを刺しますか? >

    >はいを選択

    アルスは泣きながら 水龍の剣を握り閉める。

    (よし!アルス その剣で真っ直ぐオレを貫くんだ!)

    「わあぁぁぁぁ!!!!」
    深く魔王に体当たりするようにアルスは剣を突き立てた。
    ほんの一瞬キーファの姿が見えた気がした。
    彼は笑っていた。

    (良くやったな!アルス)

    魔王は砕け散った。

    >エンディングへ



    >いいえを選択

    「だめだ!やっぱり出来ないよ…」
    アルスの腕から水龍の剣が音を立てて落ちた。
    「うう…えっえっ…」

    (しょうがない奴だな。お前)
    アルスは心の中で反論する。
    (しかたないだろ、ボクは君がいなきゃダメなんだ!)
    (そうだな、オレもだ。オレ達まだまだ半人前だもんな)
    (へっへっ…父さんにもよく言われたよ)
    (じゃ、二人でやるか)
    (?)
    (力を貸してくれ。アルス。マホトラ!)

    アルスの魔力が吸い取られる。

    (何を!?何をする気だ?!キーファ?!)
    (オレさ、魔力が無いんだよね。けど、魔王と同化しているから今なら使える。
    魔王の魔力では自由にできなくても 
    アルスの… アルスの温かい魔力ならきっと使える!)
    (まさか?まさか! イヤダ!そんなの! 
    そんなのイヤダよ!キーファ!!!!!)
    (さすがはオレの親友。オレの考えがわかったのか。
    お前の魔力でオレが死ぬんじゃないぞ。二人で魔王を倒すのさ)

    (メガザル!!!!!!!!!!!)

    「ぐおおおおおおおおおお!!!!!!」
    けたたましい咆哮を上げながら 魔王苦しみだした。

    魔王に追いすがろうとするアルスを 
    メルビンと仲間たちは必死の力で抑え込んだ。

    ― そんなに泣くなよ。アルス。

    ― オレはお前にそんなに思ってもらえるような人間じゃない。

    ― 家族も 国も 自分の責務も みんな投げ出して 好き勝手してたんだぜ。

    ― そのあげく こんなになっちまったって言うのに 

    オレは 冒険の旅に出たことを 後悔してないんだ
    だって 本当に 最高に 楽しい時間だったからさ!

    ― こんな身勝手な奴に 涙なんか流すなよ。アルス。
    神様に許してもらえるなんて思ってないけど もう一度 お前と旅ができたら…

    魔王は砕け散り、その爆風がアルスの涙を吹き飛ばしていく。

    >エンディングへ

    (つづく)

    ドラクエ7 SS 「二人の力で…」<2>

    (あの時のオレは かなりイっちゃってたな)

    キーファは皮肉な歪んだ笑みを浮かべた。
    アルスは何も言うことが出来ない。
    ただ、一筋 頬を涙が流れた。
    何故だか、アルスには分かったのだ。
     
    その時のキーファの 絶望感 そしてそれが怒りに変るのが。

    (オレの心に闇が生まれ それが魔王に付け入る隙を与えた。
    オレは魔王に捕らえられ 同化させられ 神の殻の中に閉じ込められた。

    魔王の中でジャンは命を取り留めたことが分かったが
    その時にはもう遅かった。

    それから、何年も 何十年も 何百年も 気の遠くなる時間を
    徐々に増大していく魔王の力を感じながら過ごしていたんだ)

    キーファはアルスを見つめる 真っ直ぐに。

    (終わりにしてほしい。アルス。おまえにしかできない)

    (どうして?どうして ボクに出来るとおもうんだよ!
    君を殺すなんて 出来るわけないじゃないか!)

    (アルス。お前は希望なんだ。
    魔王はオレを取り込んだ時、オレの記憶からエスタード島のことを知った。
    いずれ自分の贄となるオレの存在を消さないためにエスタード島は封印を免れた。

    そして、この事態を感知出来た方々がいた。海底王もそのお一人だ。
    水の精霊の加護を受けし最強の海賊王を父に持つ希望の子。
    その子を守るのに一番安全なところは 魔王が手出しできない場所。
    つまりオレの傍というわけさ。
    おれの傍で シャークアイの子供が違和感なく誕生できる場所。
    それはエスタード島一の海の男ボルカノのところしかないだろう)

    (ボクがシャークアイの子供?)
    (とぼけるなよ。うすうすわかってたんだろ。
    その痣がなんであるか知った時から。 
    オレは魔王と同化していたから 動くことはできなかったが 
    世界のことは何でも見ることが出来た。お前の旅もずっと見ていたんだ
    オレが完全に魔王に囚われずにいられたのも
    いつか お前が来てくれると信じていたからだ)

    (……)

    (ギガジャティスの効力がもうすぐ切れるな。頼むアルス終わらせてくれ)
    (嫌だ!出来ない!)
    (頼む アルス オレを… 世界を… そして、オレの子孫を救ってくれ)
    (子孫?)
    (アイラだよ。実はライラのお腹にはオレの子供があの時いたんだ)
    (…えっ?)
    (ふんっ お子ちゃまのアルスには分からないか?)
    (えっ!!!! いくらなんでも手が早すぎるよ!!!!)
    (ふざけた気持ではないぞ。ちゃんと嫁にするつもりだったし…)
    (いや…でも…だからって…)

    キーファはアルスがあたふたしている隙にそっと突き飛ばした。
    アルスの魂がグーンと体に引き戻される。

    (オレを救ってくれ…)

    キーファの声が遠くなる。

    時が動き始め 氷の刃がアルスの頬をかすめ 血が涙の痕に重なる。
    「しっかりしてくだされ!アルスどの!」
    メルビンの声にアルスは意識を取り戻す。

    その時、魔王の動きが止まった。

    (アルス、聞こえるか?ギガジャティスのおかげで 
    一時的にオレの意思で魔王を止められた!今のうちにとどめを刺せ!!!!)

    (つづく)

    ドラクエ7 SS 「二人の力で…」<1>

    アルスがラーの鏡を覗くとそこには苦痛に歪むキーファの顔が映っていた?!
    「なぜ?…」
    魔王オルゴ・デミーラを前にアルスは混乱してしまった。
    「どうした?!何をぼんやりしているでござる!!!」
    アルスの前に立ち 刺さるように飛び交う氷の破片を 水鏡の盾に受けメルビンは叫んだ。

    「そんな…そんな…そんな!!!!!」

    戦闘中だというのにアルスは絶叫し はっと思い立った呪文を叫ぶ。

    「ギガジャティス!!!!!!!」

    空間が一瞬にして凍りつき アルスは光の中に飛ばされた。
    フワフワ どちらが上でどちらが下かも分からない。
    ただ、遠くで戦う自分と仲間達の姿が見える。ピクリとも動かず固まっている。
    それどころか、魔王の吐く息さえも中空で氷ついているではないか。

    (アルス…)

    心に直接キーファの声が響く。
    いや、今アルスは心だけになっているのだろう。
    体ははるかかなたにあるのだから。

    (アルス 聞こえるか?)
    (うん…)

    声のする方に視線をむけると そこにはやはりキーファの姿があった。

    (久しぶりだな)
    (うん)

    くすっ キーファが笑う。
    (なんだよ、おまえ そんなに普通に返事しやがって。
    相変わらずどっかネジが飛んでるよな)

    ははは…腹を抱えてキーファが笑う。
    それはアルスが昔から良く知っているキーファだった。

    ひとしきり笑うとキーファはふっと真顔になった。

    (なぁ アルス 話を聞いてくれるか?)

    アルスは力強く頷いた。
    それはどんなことでも受け入れるという何よりの証だと幼馴染のキーファにはわかった。

    (あの日の神の復活の儀式 あれはただの失敗ではなかったんだ…)

    神と魔王は長い争いを繰り広げ ともに力尽き永の癒しを必要としていた。
    時が満ち癒しの完了した神をユバール族は復活させる使命を帯びていた。
    それなのに復活を急いだため 癒しは完了しておらず 儀式は失敗したかに見えた。

    だが、そうではなかった。

    人の目には見えなかったが神はその輪郭をおぼろげに復活させていた。
    それは中身のない神の形をした殻のようなもの。
    それに魔王は飛びつき自身の復活の糧にしようとした。

    けれど 仮にも神である。そのままでは弾かれてしまう。中和剤が必要であった。

    (それが オレだったというわけさ)

    キーファはもともとあの時代には存在しえない異質のモノ。

    けれどなにもなければ 取り込まれることはなかった。
    引き金はジャンが引いた。

    大地のトゥーラの弾き手 踊り子 二つが揃わなければ儀式は出来ない。
    一族は飛び出したジャンを探し出し連れ戻そうとした。

    「いやだ!オレはライラが他の男の物になるのを見たくはない!」
    ジャンは激しく抵抗した。
    それでもなお 彼を無理に捕まえようとしたが 
    ジャンは隠し持っていたナイフを取り出した。

    「掟がなんだ! 言い伝えが 使命がなんだ!!!
    この世で結ばれないのなら いっそ…」

    ライラに飛びかかるジャンをとっさに突き飛ばしたのはキーファだった。
    けれど ジャンが倒れ込んだ場所がいけなかった。

    真っ赤な血しぶきが上がる。

    地面から突き出した石。

    その尖りがジャンの後頭部を突き刺したのだ。

    すぐさま 部族中の魔力の使い手が集められ ベホイミ ホイミの呪文が飛び交う。

    『おかしいな、もう全治しても良いくらい魔法をかけているのに』
    『早くしろ!彼に死なれたら 大地のトゥーラの弾き手が失われる!』
    『神の復活が叶わなくなる!』

    ― オレのせいだ

    ― オレのせいで 命が 神の復活が

    「ジャン!ジャン!」

    泣きながらジャンに縋っているのはライラ?

    ― どうして?君を殺そうとした奴じゃないか…

    ― そんな…

    ― これじゃ オレが悪者みたいじゃないか!!!!!

    ユバール族の為に ライラの為に 神を復活させるという崇高な使命の為に
    自分の全てを 地位も 国も 家族も 友人も 
    生きていた時代さえ捨てた代償がこれだというのか?

    『うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』

    (つづく)

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    青林

    Author:青林
    ”ベルサイユのばら”の二次創作サイトを作っています。ぜひ遊びに来て下さいね。

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    ただいま、コメントへのお返事は基本的にはしておりませんが、頂いたコメントは大切に読ませていただいています。ありがとうございます。

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