「木村佳乃がひも解く!マリー・アントワネットの真実」

    アントワネットさまの特集番組が放送されます。

    http://www.ntv.co.jp/program/detail/21854561.html

    ZEROカルチャー特番「木村佳乃がひも解く!マリー・アントワネットの真実」

    放送日時:11月05日(土)10:30~11:25
    放送局 :日本テレビ

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    サベルヌに想いを馳せて…5

    その夜、ジェローデルは馬車を帰すと 司令官室の中で書類の作成を始めた。
    サベルヌ事件の報告書のたたき台である。

    一人きりの真夜中の室内。それでも昼間感じた寒さはなかった。
    部屋の主は無事にここへ帰って来てくれた。それだけで心が安心感でほっと温かい。

    サベルヌは遠い。雪が彼女に追いつかなければいいがと、毎日空を見上げ気をもんでいた。
    一緒に行けない自分の立場が恨めしく、
    何時いかなる時も供をする当然の職にある男が憎らしいとさえ感じた。

    "困ったことが起きてはいないだろうか?"

    手の届かないところにいるというのは何とももどかしいものだ。

    "まっ、結局 帰っていらしても やっぱり手が届かないのですが"

    そばにいて、こうして彼女をサポートできるのは 
    姿が見え様子がわかる分ずいぶんマシではあるのだが、
    それでも目の前でアンドレがあれこれ彼女に触れるのはやはり気持ちの良いものではない。

    物理的、直接的なサポートはアンドレの職務である。
    そして、その職域を超えて 彼女と接しているのは幼馴染ということと、
    彼女の特殊な立ち位置を考慮すれば非難はできない。

    "どうして、わたしではいけないのですか?"

    そんな疑問をジェローデルは長い事抱いていた。
    彼女の女性的な部分を支えるのが何故自分ではいけないのかと。

    近衛の仕事を通じて しっかり信頼関係が築けたと思う。
    共に出会った時は少女と少年であったとしても 自然と成長し 性を意識し始める年頃となれば 
    自分に目が向けられてしかるべきではないか、そんな驕りさえあった。

    家柄、年齢 軍人としての器量 さらに容姿に至るまで 
    自分ほど彼女に似合うものがいるだろうか?

    "ふふ… あなたはわたしなど眼中にないのですね"

    ジェローデルの口元が自嘲気味に歪む。

    始めから 彼女のことを女性として愛し始めていた自分と違い、
    彼女の方は何時までも同僚としてしか自分を見てはくれない。

    "いっそ、求婚してしまいましょうか、そうすれば 男として意識してもらえるのですか?"

    だが、それはあまりにも愚策というものだろう。

    求婚すれば、アンドレは何をするかわからないからだ。

    そして、あの男になにかあれば 彼女もまたどうなるかわからない。
    彼女のアンドレへの依存度は大変なものなのだから。

    アンドレなどただの従僕に過ぎない。始めの頃はそう思っていた。
    自分が傍にいれば 彼など必要ないとも考えていた。

    徐々に自分の存在感を大きくしていけば、
    いつか自然と 彼女を支えるのは公私ともに自分になるはずだと。

    そう、確かに自分の存在は公的にはかなり彼女にとって大きなものになったと思う。
    だが、私的な部分は相変わらず アンドレ アンドレ と彼にべったりだ。

    何故だ?どうして?

    容姿、教養、包容力、知力、体力、武力、何ひとつ劣っているとは思えない。

    "何故?あなたはアンドレにそんなに甘えるのですか?"

    問いかけたい気持ちを抑えて 毎日、毎日、二人を見つめていた。

    そして、気づいてしまった。

    彼が彼女の分身なのだと…

    長い長い時をかけて、そうとは気づかず 二人はシンクロするように成長した。

    まだ、柔軟な子供の頃に出会い、オスカルは彼を鏡として自分を映しだしてしまったのだ。

    人は皆、無意識のうちに 他者の反応で自分を測る。

    周りの人間が、自分をあがめれば自分は特別なのだと認識し、
    逆に蔑まれれば 自分はダメな人間なのではと感じてしまう。

    そして、自分がこうありたいと願う自分像を認識させてくれる者を求めるものだ。

    例えば、可愛いねと褒めてくれる者と無細工だなとせせら笑う者がいれば 
    当然、前者といる方がいいと思うものだろう。

    女でありながら 男であろうとしたオスカルは、
    身近なアンドレの反応で自分を確立していったのではないだろうか。

    ジャルジェ将軍は彼女に凛々しい軍人像を期待した。
    それは、オスカル自身も望むところであった。

    ジャルジェ夫人や彼女の乳母は 女になっても構わないとドレスを送り続けた。
    それも、彼女にとって心地良いものではあったが、
    父の理想と両立させるのは 当然無理があった。

    周りの希望、期待 それに自分自身の望み。
    成長するにつれて 表面化する 身体的な要因。
    それらは複雑に絡まり 上手く共存させるのは
    幼い彼女にとってあまりにも難しいことであった。

    その抱えきれない矛盾を共に抱えてくれたのがアンドレなのだ。
    彼女は彼に一つ一つ 矛盾を投げかけ 彼と共にそれを自分の中で咀嚼していったのだろう。
    幼いアンドレは彼の特異な性質である、『すべてを受け入れる優しさ』でそれに答えた。

    彼もまた、彼女からの期待に無意識に応えたい、彼女に愛されたいと願い、
    いつのまにか『彼女が求めている者』になろうとしていたのかもしれない。

    互いを見つめ、求めあい、互いに映る自分こそが本来の自分だと感じながら 
    それになるように成長し、いつしか二人は別々の体を持ちながら 
    互いを共有する稀有な存在になってしまったのだ。

    もはや お互いなくして 自分の存在を認識することなどできはしないくらいに。

    そしてそれに彼ら自身は気づいていない。
    気づく必要などないし、互いが離れて過ごすことなどないのだから。

    そんな 二人の間にどうやって入れるというのだろう…

    ジェローデルは頭を抱えるしかない。

    (つづく)

    「ベルサイユのばら」の「ジュエリー絵画®展」

    今週末は各地でハロウィンイベントが開催されていますね。
    宝塚市でも「宝塚アニメフェスタ2016 × ハロウィン」が開催されます。

    http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/kanko/kankoinfo/1017246.html

    そのイベントで 宝石で作られた絵画「ジュエリー絵画®」が展示されるそうです。
    しかも入場無料

    宝塚アニメフェスタ2016 アニメエリア

    輝く宝石で描かれる「ベルサイユのばら」の世界と
    ハロウィン気分を味わえる楽しそうなイベントですね。


    サベルヌに想いを馳せて…4

    「アンドレ、サベルヌではなにかありましたか?」
    ジェローデルの問いかけの真意をアンドレは正確に理解した。
    アンドレとジェローデルもまた、ずいぶん長い事お互いを意識してきたのだから。

    何と答えたものか アンドレには分からなかった。
    ジェローデルが聞いているのは事務的なサベルヌの報告ではなく、
    いつもと違うオスカルの様子の理由なのだから。

    先ほどまでの微笑みが消え、真剣なまなざしで自分を見つめるジェローデルの顔を
    アンドレはそっと見てから膝の上で安心しきって眠るオスカルの顔に視線を落とした。

    「実はおれにも正確なことは分からない。
    たぶんジャンヌ達の死に責任を感じているんじゃないのかな?」
    「彼らの死については 報告を受けていますが 
    立ち会ったのは君と隊長だけだったのでしょう」
    「ああ…」
    アンドレはその時の様子を出来るだけ 私情を入れず、
    事実だけを伝えるように気をつけながら話した。
    「なるほど、そうであれば隊長が気にされるのも無理はない」
    ジェローデルのこの言葉にアンドレの目が一瞬大きく開いた。

    アンドレは最初、ジャンヌ達の死をオスカルが気にするとは思っていなかった。
    それなのに、ジェローデルは状況説明だけで オスカルが気に病むと予測できたというのだ。

    「どうして、わかっ…」
    『どうしてわかった』と言いかけた言葉は大きく揺れた馬車の振動に遮られた。
    街道からジャルジェ家に続く私道に入ったようだ。もうすぐ着くのだろう。

    「オスカル、おーい、オスカル」
    膝の上の彼女は何時の間にか深く寝入ってしまい起きる気配がない。
    馬車が止まると、ジェローデルはひとまずオスカルを抱き、
    アンドレを先に下ろして再び彼の腕に彼女を返した。

    「ありがとう。ジェローデル大尉」
    「君も大変だね。身に余る職というのは」
    アンドレのこめかみがわずかに引きつる。
    「主人の信頼に応えているまででございます」
    わざと ツンと慇懃に応えてやる。
    今度はジェローデルがムッとしたがすぐに笑顔になった。
    「まっ たぶん、無理でしょうが 
    明日の朝はなるべくゆっくり寝かせておいて差し上げてほしい。
    近衛の方はわたしが何とかしておきますから」
    「はっはっ…おれもそう願いたいんだが…」
    今度はアンドレもいつもの口調で返した。
    あどけないとも思えるくらい可愛い寝顔のこの女性が 
    そんな自分たちの気遣いを意に介さないことくらい十分わかってはいるのだが、
    それでもなんとか休ませてあげたいと二人は思う。

    ふいにアンドレの腕の中でオスカルが身を震わせて起きた。
    冷え切っていた外気が彼女の眠りを覚ましてしまったらしい。それとも…

    "おやおや、アンドレに起こされた時は起きなかったのに"

    心の中でだけ、ジェローデルはクスクス笑った。

    ジェローデルの瞳は穏やかな笑みを浮かべている。

    その瞳には、いままでだらりとしていた腕が力なく持ち上がり、
    アンドレの肩にかかるのが映っている。
    少しその手に力がこもり彼女が
    彼に身を摺り寄せるように体を起こすのも。

    ジェローデルは湧き上がる心のさざ波をその瞳に少しも反映させることはない。

    オスカルはアンドレの腕から降りるとジェローデルを振り返り礼を言った。
    「ありがとう。ジェローデル大尉。助かったよ」
    「たいしたことではありません。隊長。それではおやすみなさい」
    「おやすみ」
    僅かばかりの荷物は、三人が会話をしているうちに下ろし終えていた。
    ジェローデルが軽く馬車の天井を小突くとゆっくり動き出した。

    その車内で、ジェローデルはほんの束の間抱いた女性の残触を思い出していた。
    確かに女性としては大柄である。それでも自分やアンドレのような男から見れば十分にか細い。
    軍隊には男相手でも軽々肩に担いで行軍できるぐらいたくましい猛者がゴロゴロしている。
    そんな軍人の自分達から見れば彼女などは羽のように軽くさえ感じられる。
    抱き上げた彼女からは明らかに男とは違う匂いがした。ぐったりと力なく預けられた体は 
    男に守らずにはおけない気持ちを起こさせるのに十分過ぎるものであった。

    ほんの数十秒抱き上げただけで そう感じてしまうくらいなのだ。
    ずっと その役目を担ってきた男が何もかも

    自分の人生のすべてをかけて 

    守ろうとしてしまうのは当然なのだろう。

    ジェローデルは目を伏せる。確かに自分は彼女にとって特別な存在にはなれた。
    もし、同乗していたのが他の者であったなら、彼女は横になったりはしないだろう。

    だが それは唯一無二の存在と言うわけではないのだ。

    ジェローデルはジャルジェ家の私道から街道に出る手前で御者に告げた。
    「ベルサイユの近衛へ」
    御者は少し驚いたようだが 言いかえすことはなかった。
    この坊ちゃまの気性をジェローデル家の者はよく心得ている。

    (つづく)

    東京暇人「ブレゲ」トーク

    「東京暇人」山田五郎さんの
    「ブレゲNo.160」と「ブレゲNo.1160」にまつわるトークを公開中です。

    http://www.ntv.co.jp/himajin/2016/10/25/

    とても興味深いトークでしたo(^▽^)o
    最後に「マリー・アントワネット」展の紹介もありますので
    ぜひご覧になって見てくださいね。

    さて、このトークの中で山田五郎さんが
    「誰が注文したのかというのが ホント気になる」とおっしゃっていましたが
    私もすごく気になりました。

    そこで ここからは私の妄想をお話したいと思います。
    あくまで 妄想ですよ。
    家にある本と、日本語サイトの拾い読みから想像しただけの
    タダの妄想ですから。

    私はこの注文主 フェルゼンだと思っています。
    謎の注文主については「王妃の礼賛者」とか
    「護衛係」とか、「将校」とか 「使者」とか諸説あるのですが
    ことごとくフェルゼンに当てはまる気がするのです。

    「王妃の礼賛者」というのはもちろんですが
    この頃フェルゼンはロワイヤル・ドウー・ポン連隊付き員数外大佐に任命されました。
    つまりフランス軍の将校でもあったわけですから、
    他の諸説もなんとなく納得できるのです。

    そもそも注文主が王妃その人であれば 
    宮殿に呼んで直接注文すればいいはずなのです。
    ましてや、金に糸目をつけないというような 大きな買い物であればなおさらでしょう。

    仮に王妃の使者が王妃の注文を伝えに来ただけなら
    何も”謎の使者”なんていわず 
    ”王妃様からの注文を承った”というだけでいいはずだと思うのです。

    こんな高額の注文を身元も分からぬような人物から受けるはずもないでしょう。
    ブレゲも良く知っていて、なおかつ公にできない事情のある人物。

    アントワネットさまお気に入りの時計職人ブレゲは
    きっとフェルゼンの事をその事情も含めて知っていたと思います。

    であればこそ、王妃様が亡くなられた後も時計を作り続けたのではないでしょうか。
    もちろん、時計職人としての情熱もあったのでしょうが
    これほど高価な時計を ただ道楽だけで作ったとは思えないのです。

    と言いますのもフェルゼンはアントワネットさまの死後、彼女の唯一の遺児である
    マリー・テレーズのために凄く頑張っているらしいんです。

    らしいというのは残念ながら この話もあちこちで聞きかじっただけで
    ちゃんとした ソース元を私が持っていないからなのですが。

    その不確かな断片をとりあえず あげてみます。

    ・フランツ2世がフランス王位目当てで弟のカール大公と
    無理に結婚させようとしたのをフェルゼンが阻止した。

    ・マリー・アントワネットさまがマリー・テレーズのためにあちらこちらに残していた
    財産を各国の宮廷を駆けずりまわり マリー・テレーズが相続できるようにした。

    こんな風に王妃様亡き後も彼女への愛を持ち続けていたフェルゼンであればきっと
    ”王妃に捧げる時計”を買って下さると思えたのではないでしょうか。

    そのフェルゼンもまた時計の完成を待たずして亡くなってしまいましたが
    その頃には時計もかなりのところまで制作が進んでいて
    ここまで来たら完成させずにはおかないという感じだったのではないでしょうか。

    ではフェルゼンは何故、時計を注文したのでしょうか

    時計の注文があった1783年フェルゼンはフランスに滞在していました。
    この年はアメリカ独立戦争の 1月には休戦条約が、9月にはパリ条約が結ばれた年でした。

    この頃、彼は妹に
    「たとえ不自然であっても 私は決して結婚しないだろう。
    (略)私がその人のものになりたいと思っているただひとりの人
    私を本当に愛してくれる唯一の人
    そのひとのものになることが私にはできないのだから」と打ち明け
    父にも結婚する意志のないことを伝えています。

    うん?どこかで聞いたような?
    そう これと同じような趣旨の話を「ベルサイユのばら」の中でも
    時期は違いますが フェルゼンはオスカルにしていました。

    この1783年の滞在は数か月の事で
    フェルゼンはグスタフ3世の供をして
    またフランスを去らねばなりませんでした。

    フェルゼンはアメリカ独立戦争に赴き 
    改めてアントワネットさまに対する愛に気づいたのかもしれません。
    けれど、どうすることもできない二人の立場。
    いつもそばにいることさえ叶わないことが多い。

    ならばせめて 彼女の傍にいつもいられるものをと
    考えたのかもしれません。

    それは自分の身代わりに、彼女のものになるもの。
    たとえ、自分が彼女より先に死んでしまうことがあっても
    変わらず生き続け(動き続け)るもの。
    そして、彼女が持つのだから最高級のものでなくてはならない。

    それがあの最高の時計をという注文になったのではないかと思うのです。

    結果としては 二人ともこの時計を見ることはなかったかもしれませんが
    今も フェルゼンのアントワネットさまへの想いを体現しているとするなら、
    素敵なことなのではないかしらと妄想してしまうのです。

    「ブレゲNo.1160」を見に行くことが出来ないのは残念ではありますが
    こんな素敵な時計の存在を知ることが出来たのは
    とても嬉しいことでした+゚。*(*´∀`*)*。゚+

    マリー・アントワネット展 通信販売

    『マリー・アントワネット展』ついに始まりましたね。
    「あら、でもわたしには関係ないわ。どうせ行けないもの」
    そうおっしゃるあなたに朗報です。

    『マリー・アントワネット展』のカタログやグッズの通信販売が始まりました。

    http://www.ntv.co.jp/shopping/marie/

    グッズがとっても素敵(* ´ ▽ ` *) 
    しかもお手頃価格で使えそうなものが結構あるではありませんか
    ありがたや、ありがたや 。゚(゚^∀^゚)σ。゚

    私も『マリー・アントワネット展』に行けそうもありませんので
    いくつか購入したいなと思っているのですが どれも素敵で迷っています。
    しばらく 楽しい悩みが続きそうです(笑)

    「ブレゲ No.1160 マリー・アントワネット」特別展示

    「マリー・アントワネット」展で
    11月2日(水)と11月3日(木・祝)の2日間に限り
    「ブレゲ No.1160 マリー・アントワネット」が特別展示されます。

    http://www.gressive.jp/brand/news/breguet/No_1354/

    「ブレゲ No.1160 マリー・アントワネット」は
    あの「ブレゲ No.160 マリー・アントワネット」を忠実に再現した時計です。

    「ブレゲ No.160 マリー・アントワネット」は
    エピソード8に登場していたアブラアン・ブレゲの最高傑作と言われる時計です。
    残念ながら ブレゲ自身はその完成を見ることなく亡くなってしまうのですが
    弟子たちが後を引き継ぎ 彼の死後4年が経った1827年に完成させました。
    1783年に時計の注文を受けてから実に44年が経過していました。

    この時計の注文を受けた経緯については 王妃の礼賛者という謎の人物が
    彼女への最高の贈り物にしたいと注文したとか
    王妃の護衛係が注文を代行したとか
    王妃の使者を名乗る人物が依頼したとか いろいろ言われていますが
    ともかく「王妃のために 期限も費用も制限なしに、
    当時のあらゆる時計技術の粋を凝らした最高の時計」をという注文だったようです。

    もちろん、アントワネットさまはこの時計を手にすることはありませんでした。
    引き取り手のないこの時計はブレゲ家に保管されていましたが
    その後、何人かの手に渡り、やがて「L.A.メイヤー記念イスラム美術館」に寄贈されました。 
    ところが 1983年に何者かによって美術館から盗み出されて行方不明になってしまいました。

    そのことを残念に思い、紛失から二十数年後、ブレゲ社は時計の復元を試みます。
    そして、数年かけて完成したのが「ブレゲ No.1160 マリー・アントワネット」です。

    ちなみに なんと本物はこの時計の完成と前後して見つかっています。
    その経緯は明らかにされていませんが
    時計が本物であることはブレゲ社に認められています。

    ブレゲを象徴する傑作である「ブレゲ No.160 マリー・アントワネット」
    そのレプリカである「ブレゲ No.1160 マリー・アントワネット」もまた素晴らしい時計です。
    めったに見ることのできないこの時計を日本で鑑賞出来る貴重な機会です。

    行かれる方は是非ご覧になって下さいね。

    サベルヌに想いを馳せて…3

    オスカル本人が本隊と共に到着したのは翌日であった。
    万全の態勢で向かえたジェローデルの目には意外にも沈みこんだ彼女の姿が映った。

    ジャンヌを仕留めての凱旋のはずだ。
    准将への昇進が決まるほどの手柄であったのに。

    それでもジェローデルはその疑問をひとまず顔に出さず、柔らかな微笑みで彼女を出迎えた。
    「お帰りなさい。隊長」
    「長く留守にしてすまなかったな」
    オスカルもまた、笑顔で答える。それが無理をしているのだとジェローデルには良く分かる。
    もう十年以上傍にいるのだ。

    それでも ジェローデルは柔らかな微笑みのまま 
    オスカルをエスコートするように司令官室まで共に歩きながら 簡単に留守の間の報告をした。

    さすがに連隊長不在の間に溜まった書類はかなりあった。
    あらかじめジェローデルは全ての書類に目を通し、急ぎの物だけ分けておいた。
    それを要点をかいつまんで説明し、オスカルにサインをしてもらう。
    そこまで用意していてもかなりの時間がかかってしまった。

    「遅くなってしまいましたね」
    窓に目をやると 外はもう真っ暗で 窓ガラスは鏡のように ジェローデルの顔を映していた。
    その肩越しに 室内の様子も映っている。

    背を向けている自分の後ろで 疲れた目を向けるオスカルと 
    それを気遣うように受け止めるアンドレ。
    ガラス越しの不鮮明な映像でもそれは十分ジェローデルの心をイラつかせる。

    だが、そんな様子は少しも出さない。

    もう ずっと そうしてきた。

    アンドレのように 気持ちを周りに悟られるようなことはしない。

    「これだけ片づけていただけましたので 明日はゆっくり昼から出勤なさってください」
    「いや、そうはいくまい。ありがとうジェローデル。心遣いだけありがたくいただいておこう」

    優しい言葉。細やかな気遣い。
    それは 本来 嬉しいもののはずだ。

    現にジェローデルも入隊したての頃は"あこがれのオスカルさま"に
    言葉をかけてもらうと とても嬉しかった。
    お茶を入れてくれたあの若い近衛兵のように。

    だが いまは

    今は優しく気遣われるより 気遣いたい。

    甘えられたい。弱音を吐いて 縋って欲しい。

    頼って 寄り掛かってきてほしい。

    何もかも、心の全てをさらけ出して 素のままで飛び込んできてほしい。

    "わたしはもう、出会ったばかりの頃の子供ではないのですよ"

    そう口に出して言いたい。

    だが、実際口から出てきた言葉は違うものであった。

    「お帰りは わたしがお送りいたしましょう」
    にっこり 微笑みジェローデル家の御者に
    馬車の用意をするよう伝えてくれと手近な兵士に命じる。
    いつもは馬で出勤するのだが、今日はオスカルが自宅に寄らず
    真っ直ぐに近衛に来ることが予測できていたので、あえて馬車で出勤したのだ。

    「ありがとう 助かる」
    オスカルは素直に好意を受け入れた。

    馬車の中では向かいにオスカルが、その隣にアンドレが乗る。
    珍しいことではない。馬車での移動の時はこのように乗ることが多かった。

    特に気まずいということもない。
    大抵、車内でも近衛の司令官室さながらの空気感が続き、
    自然な会話が交わされるのが常であった。

    だが、この日は少し違っていた。
    いつもであれば、オスカルは自分の留守の間の近衛の様子や、王妃のこと、宮殿内のこと 
    いろいろ聞いてくるはずであるのに、ただ俯いてだまっている。
    ジェローデルは聞かれるであろうことを想定して、
    簡潔に伝えられるよう心づもりをしていたのだが、予想が外れた。

    暫く、沈黙が続いたが、ジェローデルはついに言いたくない言葉を口にした。
    「だいぶ、お疲れのようですね。わたしなど気にせず、どうぞアンドレの膝に」
    向かいに座る二人は同時に顔をあげてこちらを見る。
    それに微笑むとオスカルはほっとしたような顔をジェローデルに向けた。
    アンドレが膝を揃え、そこにオスカルは仰向けに体を横たえる。
    ジェローデル家でも一番大きな馬車の車内はゆったりしているので、
    オスカルが膝を立てれば横になれる。

    寝転がる時、オスカルとアンドレの視線が絡み、そっと優しげな表情を二人が浮かべるのが
    ジェローデルの胸にチクンと突き刺さる。

    アンドレを自分の横に移動させて オスカルに横になってもらおうとは言わない。
    彼女にとって アンドレの傍が最も安らぐ場所であることは分かっているのだ。

    彼女にとってアンドレは"ミントのブーケ"。

    どんな悪臭の中でも それに顔を埋めれば 心地良くなれる。

    どんな辛い時でも 生気を取り戻し 前に進む気力をくれる。

    だから、引き離すわけにはいかない。

    ものの数分も経たぬうち、オスカルは寝息を立て始めた。
    馬車の振動で彼女が座席から落ちぬように アンドレは長い腕で彼女を支える。

    慣れたものだ。ずっとそうして支えてきたのだろう。

    (つづく)

    タカラヅカ・スカイ・ステージ無料放送

    10月28日から11月6日まで スカパー無料放送があります。

    https://www.skyperfectv.co.jp/special/10days/

    タカラヅカ・スカイ・ステージもこの期間無料で放送される番組があります。
    沢山無料放送される中で特に「ベルばら」ファンにおすすめなのは

    10月28日13:30~ 「ルパン三世ー王妃の首飾りを追えー」(’15年雪組)

    11月 1日19:00~ 「ベルサイユのばらーフェルゼンとマリー・アントワネット編ー」
                   (’14年宙組)

    11月 5日(4日深夜)2:00~ 「外伝ベルサイユのばらーアンドレ編ー」(宙組)

    などです。

    上記アドレスの「スカパー」のサイトを下におりていくと
    「今すぐ見られる!10日間無料番組表」があります。

    そこの「国内ドラマ」をクリックすると
    「タカラヅカ・スカイ・ステージ」のどんな番組が見られるのかわかります。

    ベルサイユのばら以外にも 面白そうな演目が沢山ありました。
    今から とっても楽しみです(*´∀`人 ♪

    女優マルキーズ

    GYAO!で「女優マルキーズ」が配信中です。

    http://gyao.yahoo.co.jp/player/00569/v08402/v0828500000000527260/?list_id=1946145&bplay=1

    恥ずかしながら この映画を見るまで 
    マルキーズという実在の女性がいたことを知りませんでした。

    マルキーズはルイ14世の頃活躍したとても美しい女優さんだったそうです。
    もちろん、映画では脚色されていて 史実通りでないところもあるようです。

    ソフィー・マルソーがマルキーズを演じています。

    私は何も知らずに見始めたので 始めのコミカルな展開に
    コメディー映画なのかしらと思ったのですが
    ストーリーが進むにつれ シリアスの色合いが濃くなっていきました。
    観終わった後 もしやこれは実話なの?と思わず検索して
    マルキーズが実在の人物であることを知ったのです。

    ルイ14世の頃のフランスの様子も生き生きと画かれていて
    実在の人物も複数登場する歴史好きにはたまらない映画でした。

    主人公のマルキーズが魅力的なのはもちろんなのですが
    彼女の夫の「グロ・ルネ」が愛しくて切なかったです。

    配信期間は11月17日までですので ご興味のある方は是非どうぞ。

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    青林

    Author:青林
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    ただいま、コメントへのお返事は基本的にはしておりませんが、頂いたコメントは大切に読ませていただいています。ありがとうございます。

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