ゼクシィ2月号 前夜祭 「独身生活の埋葬」 ー1ー

    いよいよゼクシィ2月号の発売日が近づいてきました。
    「愛と波乱の結婚準備 ダンドリBOOK」楽しみです。

    まだ前夜ではないのですが 性懲りもなく 前夜祭をやっちゃいます

    長年 見はてぬ夢と思っていた 池田理代子先生による

    オスカルさまとアンドレ君の結婚式♡

    始めは 前日1回のつもりでしたが 
    もう 胸が詰まってしまって 書き始めたら止まらなくなってしまいました。

    結婚前夜といえば 独身最後の夜 フランスではこれを
    Enterrement de vie de celibataire「独身生活の埋葬」
    と言って同性の友達とパーティーしたりするそうです。

    そんな夜をアンドレ君にもベルサイユのばら野郎組と盛り上がってもらいましょう。
    4日連続でUPしていきます。SSというほどのものでもないので 
    サイトにはあげず ”ここだけのはなし” にしたいと思います。
    それでは「独身生活の埋葬」スタートです。


    「いらっしゃい! 待っていましたよ。アンドレさん」
    「マスター 今日はありがとう貸切にしてもらっちゃって・・・」
    「なに言っているんです。今日は周りを気にせず パーアッといきやしょうや。
    しかしまさかあのお綺麗な兵隊さんが女で アンドレさんのお嫁さんとはね。」
    「あの時はすまなかったね。店をめちゃめちゃにしちゃって・・・」
    「あはは・・・ほんと凄い暴れぶりでしたね。あんなのかみさんにしたんじゃ 
    アンドレさんも大変だ。おっと失礼。」
    「ふふ・・・慣れているよ。」
    「あれから 何もかも弁償して頂いたうえに いいお客さんを沢山紹介してもらって 
    うちとしては大助かりですよ。」
    「いいお客かどうかは 別だけどね。」

    「聞こえてるぞ アンドレ」
    「アラン もうできあがってるのか?」
    「なあ マスター おれ達はいい客だよな?」
    「はい はい そうですね。いい客ついでに ロセロワさんにツケ払うように言ってくださいな。
    それからメルキオールさんにうちの女の子に 酔ったふりしておしり触るの止めさせてください。
    あんた班長なんだから」
    「ちぇっ飲み屋でまで あいつらのお守りかよ。」
    どっと笑いが起きた。見れば店内にはもう元衛兵隊の連中は あらかた集まっているようだ。

    その連中から少し離れて別の軍人の一団がある。
    「アンドレ おひさー」
    「やあ ほんと 久しぶり」
    「君とジャルジェ准将がいなくなってから 近衛もすっかり寂しくなっちゃってね。
    ジェローデル連隊長はクビになるし 革命で近衛は解散。
    元衛兵隊員達と同じ国民衛兵隊に入った連中が今日は集まっているよ」
    その男のテーブルには アンドレと特に仲良くしてくれていた元近衛兵達が集まっていた。
    革命前からアンドレが平民であっても わだかまりなく接してくれた男達だ。
    アンドレはふと彼らとサベルヌへ行った時のことを思い出した。
    あの時はまさかこんな時代がくるとは思ってもみなかった。

    「誰がどうしましたって」
    アンドレの背後からふいに声がした。振り向かなくてもわかる。この声 この気配・・・
    「ジェローデル連隊長!」
    元近衛兵達は嬉しそうに声を上げた。ジェローデルは近衛隊で人気があった。
    「今はただのジェローデルですよ。」
    「ではジェローデル少佐とお呼びします。
    官位はなくなっても階級は剥奪されてはいないのでしょう。呼び捨てにはできません。」
    みんな立ち上がってジェローデル少佐に握手を求める。
    「いつお戻りに?皆心配しておりました。」
    「たった今です。先にパリにいらしていた フェルゼン伯爵をおたずねして
    今日のことを知りました。」
    「そうなのだよ。」
    ひょっこり ジェローデル少佐の後ろから フェルゼン伯爵が顔を出した。

    「アンドレ君 おめでとう。」
    心から嬉しそうにフェルゼン伯爵は満面の笑みで祝福した。その笑顔にアンドレは

    “あ~あ やっぱり この人には 敵わないな”

    そう思う。非の打ちどころのない貴公子 高い身分 それなのに奢るところがない。
    自分の身分違いの恋が叶うことがなく 辛い思いをしているのに 
    同じ身分違いの恋をしていて思いがけず叶ったアンドレに何の嫌味もなく 
    祝いの言葉をかけることができるのだ。オスカルがこの人に恋をしたのは当然かもしれない。

    「ありがとうございます。フェルゼン様」
    「はは 堅苦しいことはなしだ。オスカルみたいに君もフェルゼンと呼んでくれたまえ」
    アンドレの肩にかけられた手は大きく温かかった。

    「明後日の一面は "自由と平等の時はきた。伯爵令嬢を妻にした従僕" で決まりだな。」
    ふいに声がして 振り返るとこれまた懐かしい顔があった。
    「ベルナール」
    「ロザリーはオスカルの方へフランソワを連れて行ってるよ。おかげでおれも久々の独身気分さ」
    片目を瞑って見せた。

    その後も懐かしい顔がアンドレを祝福にやってくる。
    ジャルジェ家の使用人達 故郷の友達 ベルサイユ宮殿や貴族の屋敷に仕えていた従僕達 
    士官学校の仲間達 ぞくぞくと集まる面々にアンドレは感激してついには泣き出してしまった。

    「やれやれ 相変わらず泣き虫ですね。」
    意外にもそう言ってハンカチをさしだしたのは ジェローデル少佐だった。
    「明日 オスカル嬢の横に立つ花婿が 目をはらしていてはなりません。」
    「ううっ・・ジェローデルしょうさぁ・・」
    アンドレは思いがけない優しさに 涙が止められなくなってしまった。

    “やれやれ 困った男だ” ジェローデル少佐はため息をついた。わざと意地悪く
    「仕方ない。明日はわたしがオスカル嬢をエスコートいたしましょう。」
    にやりと言い放った。

    ぶーーー!!!

    アンドレは思い切り鼻をかんで ハンカチをジェローデル少佐に返した。
    「それには及びません。ハンカチありがとうございました。」
    フンッと背を向けるアンドレに

    “こういうところも 相変わらずですね”

    と苦笑した。
    「やられたな ジェローデル少佐」
    可笑しそうにフェルゼン伯爵が声をかけた。
    「だが あの誰にでも優しい男が あんな態度をとるのは君にくらいだろ。」
    「ええ わかってますよ。彼とは長い付き合いなのです。」
    優雅に微笑んでみせた。

    “本当に 本当に 長いこと 彼とあの方を 見つめていました。

    そして 近衛時代は守っていましたし 

    これからも守っていきたいと願って求婚したのですが・・・“

    遠くを見るような目の陰りに フェルゼン伯爵は気が付いたが 
    それには触れず 彼の手にグラスを渡した。
    「そろそろ みんな揃ったようだ。」
    「ええ」
    そう言って 微笑むジェローデル少佐はもういつもの顔だった。

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    青林

    Author:青林
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    ただいま、コメントへのお返事は基本的にはしておりませんが、頂いたコメントは大切に読ませていただいています。ありがとうございます。

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