ゼクシィ2月号 前夜祭 「独身生活の埋葬」 ー3ー

    「それにしても現代日本といえば 少し前におまえ サラリーマンしてなかったか?」
    ベルナールが今度は酒で赤い顔をして アンドレに言った。
    「ああ あれはたしか “ソシエ” の企画で
    今は見れないから確認できないが 確かアランも出ていたよな。」
    「おう カッコよく決まっていただろ。そういやぁ あの時も いいところまでいって 
    いよいよブライダルかってところで終わっていたんだっけ」
    「うん そうなんだ。もしかして 今回の企画のために 結婚式はおあずけになっていたのかな」
    「あれは良かった。今は見れないのが残念だ。小冊子にでもしてくれないだろうか」
    「たとえ そういう話が出ても “ソシエ” はエステだ。
    ここの管理人の青林ではとても近寄れまい。」
    「そうだな。」
    「あの話の設定の続きなのだろうか?」
    「どうだろう?まったく新しいものかもしれない。今度は描き下ろしだというから」
    「まさか 3頭身じゃないよな。あれも可愛かったけど」
    「まさかな。」
    笑いながらも 否定しきれない。なにせ何が起こるか全くわからないのだ。

    それから みんなでおおいに 飲んで 歌って 楽しい夜を過ごした。
    「ずいぶん 凄いごちそうじゃないか。アラン 
    いったい、いくら会費を集めたんだ。おれだけタダで飲み食いしてるなんて悪いよ。」
    アンドレは次々に出てくる酒や肴に ちょっと心配になって幹事のアランに小声で訊いた。
    アンドレは普段裏方をやっているので つい、こうしたことが気になってしまう。

    「気にすんな。アンドレ 全員タダだ。」
    「え?」
    「言ってなかったか?今日はジャルジェ将軍が前払いしてくれている。」
    驚いて固まっているアンドレに
    「おまえの退職金だとよ。明日からは婿殿だからな。」
    そう言いながら ポンポン 頭を叩いて 
    「良い舅を持ったな」
    と笑った。
    「婿は肩身が狭いんだぞ」
    答えながら アンドレは目に涙を浮かべた。
    「おっと 泣くなよ。おれは男にハンカチなんぞ渡さんからな。」
    「これからう~んと幸せになるんだ。泣くわけないだろ。」
    そう言って笑おうと目を細めたら 目じりから涙が溢れてしまった。

    「仕方ない奴だな。ほら」
    アランはあんなこと言ったくせに ハンカチを差し出した。
    ジェローデル少佐のスミレの薫る絹のハンカチとは違って 
    アランの木綿のハンカチは 石鹸とお日様の匂いがした。

    “みんな 優しんだから”

    アンドレは苦笑いした。

    “これじゃ 自分のハンカチを出せないよ”

    別のテーブルではフェルゼン伯爵とジェローデル少佐が飲んでいた。
    「しかし あのオスカルが結婚とはね」
    「ええ 全く」
    「何が起きるか分からないものだな」
    「あなた だって分かりませんよ。実在組は確かに18世紀では運命が決められていても 
    現代ならば 何が起きても不思議ではない。」
    「どうかな。わたしの場合 “ソシエ” でもダメだったからな。」
    「何を弱気な。現代ならば “離婚” という手もあるのですよ。」
    フェルゼン伯爵は驚いて彼を見た。
    「まさか 君・・・」
    ジェローデル少佐は不敵に笑った。
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