金の糸 -4-

    「なんだって ル・ルーがまだ来てない?」
    アンドレは渋い顔をした。実はル・ルーは今日の結婚式には出席できないことになっていた。
    オスカルの姉のオルタンスさまが革命の心労から倒れてしまわれたからだ。
    夫であるローランシー殿も傍を離れることができない。
    また、革命は解決したとはいえ 各地にはまだまだ不穏な動きがある。
    ローランシーも例外ではない。
    そんな中、いかにル・ルーといえど 一人でベルサイユまで旅をさせるわけにはいかない。

    けれど ル・ルー本人はどうしても出席したいらしく アンドレに密かに手紙をよこした。
    オスカルに知れれば必ず止められたうえに 見張りを立てられかねないからだ。

    "もし、行けないなら 自分で行くわ"

    この手紙の文言がただの脅しでないことを アンドレはよくよ~く知っている。
    すぐに向かえを出すと手紙に書き、元フランス衛兵隊で
    今は国民衛兵隊のフランソワとジャンが休暇を返上してローランシーに向かった。
    予定では2日前にはベルサイユに到着しているはずであった。

    「大丈夫だろうか・・・」
    アンドレは心配ではあったが 今は仲間を信じるしかない。当面の問題は式の進行の変更だ。
    「モーリス 実はル・ルーがまだきていないんだ。」
    アンドレはれいのリングベアラーをモーリスに フラワーガールをル・ルーに頼んでいた。
    モーリスは以前ジャルジェ将軍を父親と間違えて訪ねてきて 
    しばらくジャルジェ家で暮らしたことがある。
    ル・ルーとも仲良く アンドレのことも慕ってくれた。
    実の父親に引き取られてからも 時々遊びに来ていた。

    「モーリス ル・ルーがいないけど一人でできるかい?」
    アンドレはモーリスの前にしゃがんできいた。
    始めの予定ではル・ルーと二人で並んで歩くはずだった。
    「大丈夫だよ。ぼくできる!それよりル・ルーは大丈夫なの?」
    「心配いらないよ。おれの友達の軍人が護衛についてるから。」
    「そうか アンドレの友達なら きっと強いんだよね。」
    モーリスは安心して笑った。
    「ああ 強いとも。」
    返事をしながら 本当はちょっと人選をあやまったかと不安なアンドレであった。

    "しかし せっかくのサプライズが ダメになってしまったな"

    自分達と同じ衣裳を着た二人を見せて オスカルをびっくりさせてやろうと思っていたのに。
    危険だからダメだと言ってはいたが オスカルは凄くル・ルーに会いたがっていたのだ。

    "まっ あいつらも革命を生き抜いた軍人だし 
    ル・ルーはその辺の大人より機転がきくから大丈夫だろう"

    もう式が始まるのだ。自分が落ち着いていなければオスカルが不信がる。今は友を信じよう。

    (つづく)
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