金の糸 -8-

    生涯もっとも祝福を受けるであろう今日の朝日の中 
    オスカルは今まで秘めていた自分を解放する。
    この小部屋の中でしか存在しなかった自分。
    かつてドレスをまとった時は別人に成りすますしかなかった。

    今は愛する男性に導かれて 皆の前で堂々と自分は幸せになるのだと

    "女として 幸せになるのだと 宣言することができる!"

    部屋を出て アンドレに手を取ってもらって 階段をゆっくり下りる。
    皆が驚いた顔で見上げている。
    「アンドレ・・やっぱり おかしかったか?」
    不安になってオスカルが小声で囁く。
    「違うよ。みんなおまえが美し過ぎるので驚いているのだ。」
    そう言うとオスカルは俯いた。ベールの陰でオスカルの頬が紅潮するのが見えた。

    何年も軍服を着て 駆け上がったり 駆け下りたりした階段を 
    アンドレの手を借りてドレスの裾を持ち上げながらそろそろ歩く。
    以前ドレスを着てこの階段を下りた時とは違い 皆が拍手で花嫁を迎える。
    誇らしく胸を張り、頭を上げる。凛とした佇まいがオスカルらしい。

    アンドレは花嫁を馬車までエスコートし その乗車を助ける。
    馬車にはジャルジェ将軍とおくさまがすでに乗っていらっしゃる。
    お二人の前にドレスの裾を気にしながら座る姿が初々しい。

    「教会で待ってる」
    アンドレはそう言って馬車のドアを閉めた。
    花嫁行列は通常楽師などが先頭を行くものだが今は世情不安な時。
    いたずらに市民を刺激しないように派手なことは控えた。花嫁を乗せた馬車を先頭に 
    続いてばあやと花嫁の介添えを務めるロザリーなどの女性を乗せた馬車。
    その後ろに親族友人などが馬車や馬で続く。

    しんがりは花婿のアンドレと介添えのベルナールが馬に乗って進む。
    長身の二人が馬上進む姿は颯爽としていて 
    道ゆく乙女達の視線を花嫁に負けず劣らず引きつけた。
    行列に参加する者は皆お揃いの青いリボンを身に着けている。

    (つづく)
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