アニメ版ベルサイユのばら萌え語り(26)心のフランス革命

    「自由に そしてあるがままの心で」

    この言葉をオスカルが口にした時、彼女はすでに心のフランス革命を成し遂げていました。

    今まで持っていた 既成概念や偏見を捨てて 自分の正しいと思うこと
    自分がしたいと思うことを 行うことを 良しとしたのです。

    あるがままの心とは まさに自由そのもの。

    今までオスカルはジャルジェ将軍が言ったように
    「小さな時から どんなことでも  自分の気持ちを おさえてしまう そんな子」 でした。

    常に周りに配慮し しかもその結果を 決して人のせいになどしないのです。
    秩序を守り 公に尽くし 与えられた道徳に従って生きてきました。

    けれど その与えられた道徳が 実は間違っているのではないか
    そう感じ始めた時から 迷いが生まれます。

    秩序ある社会のための 身分制度ではあるけれど
    現実多くの人が苦しんでいます。

    溢れんばかりの貴族の贅沢の影で その贅沢に使われるために
    命を削って 納税する平民。

    愛してもいない男と 国のために結婚しなければならなかったアントワネットさま。

    何かが間違っている そう感じれば感じるほど 自分の中に押し殺し隠してきた
    本当の自分の気持ちにも 気づきかけてしまうのです。

    迷いながらも 軍務を続けるオスカル。
    ついに 国民が選んだ代表に 銃を向けるという暴挙に耐えきれず 反逆します。

    この時 オスカルは 今までの王に仕えることこそ正義という概念を打ち破り
    反逆者と呼ばれようとも 自分が正しいと思うことをしたのです。

    この時 オスカルは心のフランス革命をしたのだと言えるでしょう。

    フランス革命の 自由 オスカルは自分の心に従い行動しました。これはまさに自由。

    フランス革命の 平等 オスカルには相手が平民であるから 
    銃を向けて良いなどとは思えませんでした。
    もはや 平民は貴族に仕えその犠牲となって当然という概念がなかったのです。

    フランス革命の 友愛 オスカルはすべての人々が 幸せになることを望んでいました。
    アベイ牢獄から アラン達を助け出す時 一人の犠牲者も出すまいと配慮していました。

    かつて デュ・バリー夫人にムチ打つ男を 背中から切りつけて平気だった。
    王家を守るためなら 迷わず人を殺してきた。

    そのオスカルが 自分の迷いが深まるにつれ 主義主張が違う相手であったとしても 
    なるべく避けられる流血は避けようとするのです。

    アントワネットさまに はっきりと軍を引くように進言します。
    受け入れられは到底すまいと オスカルにはわかっていましたが
    出来ることはしたいと願っていたのでしょう。

    自分のあるがままの心を受け入れたオスカルは
    隠してきた 自分の本当の気持ちを自覚します。

    アンドレを愛していると

    彼を愛することは 身分の秩序を破ること
    今まで 彼は愛してはいけない人間でした。
    しかし 自由と平等を 手に入れたオスカルには彼は誰よりも愛しい男性でした。

    それでもオスカルはアンドレに想いを打ち明けることはできませんでした。
    何故なら 自分の命が後わずかでしかないと 知っていたからです。

    自分の死期を知るのは怖いけれど やはり悔いなく生きたい。
    オスカルはラソンヌ先生の診察を受けます。

    けれどここで 思いもかけぬことを知るのです。

    アンドレが失明するかもしれない。

    自分のせいで アンドレは左目を失い おそらくそれが元で右目も失ってしまうのだと。
    そのうえ 彼は自分のために 衛兵隊に入り 辛い生活をしているのだと。

    目がろくろく見えない状態での軍務がいかに大変か
    平民とはいえ 貴族の屋敷で育ったアンドレが 
    兵士達と共に24時間過ごすのに どれほど戸惑いや気苦労があるか

    オスカルの苦しみは大変なものでした。

    ダグー大佐の気遣いで 屋敷に帰ることにしたオスカルはアンドレを供にします。
    すこしでも 楽ができるようにとの配慮だったのでしょう。

    兵舎よりは 彼にとって我が家でもあるジャルジェ家の方が居心地がいいはずだと。

    オスカルはアンドレをばあやに返さなければと考えていました。
    このまま 軍においてはおけないと。
    タイミングを見て 切り出さなければと思っていたのでしょう。

    けれど 状況が変わってしまいました。
    軍に出動命令が出たのです。

    オスカルは自分が民衆に銃を向けるができないことも
    B中隊の隊員達に それができないこともわかっていました。

    出動すれば もう屋敷には帰れないでしょう。
    出動命令が出る前なら アンドレに軍をやめさせ 屋敷で治療に専念させても
    毎日 屋敷で会えるはずでした。

    オスカルは言い出せないまま アンドレと兵舎への道を急ぎます。
    一時間でも一秒でも 長く一緒にいたい。

    そう思う心に嘘はつけませんでした。
    もちろん 戦場に連れていく気はありませんでしたが 
    明日の出動までは 一緒に。

    だがそれは間違いでした。
    彼は民衆に怪我をさせられてしまいます。
    もはや 猶予はありません。

    オスカルは意を決して アンドレに屋敷に帰ろうと言います。
    アンドレは一切の迷いなく オスカルとともに行くと言ってくれました。

    オスカルには後ろめたい気持ちがありました。
    アンドレに愛されているのを知りながら フェルゼンを愛したと。
    そんな彼女にアンドレは言ってくれました。

    「すべてを 命ある限り」と。

    彼はまっすぐにオスカルを愛してくれています。
    もし 明日 自分が病気で死んでしまうとしても 
    アンドレの気持ちに応えることが 彼にとって嬉しい事なのではないだろうか。
    たとえ 短い時間でも 愛し合えたら その方がアンドレにとっていいのではないのか。

    そんな考えをまとめる間もなく
    自分の中から湧き上がる思いに オスカルは耐えきれなくなります。

    ずっと ほしかったもの。
    ずっと 望んでいたもの。

    アンドレ

    その胸にすがり 愛を告白したのに
    アンドレは 意外にも落ち着いていて オスカルの手を握り囁きます。

    「わかっていたよ そんなことは もう何年も前から いやこの世に生を受ける前から」

    その言葉に はっとし 顔を上げたオスカルを アンドレはやさしく くちづけし包容します。

    なぐり合うより 剣をふるい合うより 本当は…本当に望んでいたのは…


    もちろん アンドレは本当に前世のことが分かっていたわけではありません。
    オスカルが自分を愛してくれているのではないかと 思い始めたのも
    おそらく 衛兵隊に入ってからでしょう。

    ですが 誰よりもオスカルのことは分かっています。
    彼女が今一番欲しい言葉が アンドレにはわかっていました。

    アンドレがオスカルに向けた愛に今まで応えられなかった負い目。
    アンドレが愛してくれていることを 心のどこかで知っていて 甘えていたと感じている。

    だからアンドレは それを消し去るために この世に生まれる前から 
    つまり今までの人生 すべてで起きたことは 
    もう二人は恋人同士だったのだから 気にしなくていいんだよと告げたのです。

    少なくとも おれはずっとそのつもりだったのだからと。

    二人は軍服を脱ぎ捨て 身分も階級もない 
    愛し合う 夫婦となりました。

    オスカルの心のわだかまりは その熱い愛情に溶かされていきます。 

    本当の望みを果たし 命が輝き 幸せが満ち溢れましたが
    それは ろうそくの炎が消える前に 一段と輝くのにも似ていました。

    今日の放送は第38話「運命の扉の前で」です。

    http://www9.nhk.or.jp/anime/versailles/

    もっとも幸せな時の後に もっとも残酷な時が巡ってくるのです。


    スポンサーサイト

    コメントの投稿

    非公開コメント

    sidetitle最新記事sidetitle
    sidetitleプロフィールsidetitle

    青林

    Author:青林
    ”ベルサイユのばら”の二次創作サイトを作っています。ぜひ遊びに来て下さいね。

    青林サイトへ

    ただいま、コメントへのお返事は基本的にはしておりませんが、頂いたコメントは大切に読ませていただいています。ありがとうございます。

    sidetitleカレンダーsidetitle
    07 | 2017/08 | 09
    - - 1 2 3 4 5
    6 7 8 9 10 11 12
    13 14 15 16 17 18 19
    20 21 22 23 24 25 26
    27 28 29 30 31 - -
    sidetitleカテゴリsidetitle
    sidetitleリンクsidetitle
    sidetitle月別アーカイブsidetitle
    sidetitle検索フォームsidetitle
    sidetitleQRコードsidetitle
    QR