アニメ版ベルサイユのばら萌え語り(29)ノルマンディー

    「愛していました。おそらくずっと以前から 気づくのが遅すぎたのです」

    アンドレへの愛を自分に認め 許すことができたオスカル。
    ずっと 彼への愛はないものと 心の奥底に沈めていました。

    けれど それは確かに存在し 無自覚でありながら 感じてはいたのです。
    今はそれが 自覚できます。

    だからこそ アンドレの言葉
    「わかっていたよ そんなことは もう何年も前から いや この世に生を受ける前から」
    という言葉を素直に聞くことができたのです。

    先に逝くのは自分だと思っていました。
    だからこそ 愛を自覚してもすぐに告白できなかったのです。

    けれども 先に逝ったのはアンドレでした。
    こんなに 早く別れが来るなんて。
    自分の方が置いて逝かれるなんて。
    まったく 予想していなかったこと。

    残された時間が分かっていたのなら 迷わず思いを告げればよかった。

    いや

    それより これほど長く傍にいながら 
    どうしてわたしは愛していると気付けなかったのだろう。

    鈍感な私を許して


    心の革命を終えてみれば こんなにも簡単なことがどうしてできなかったのか
    オスカルは苦しみます。

    いつも静かでやさしい愛に包まれて 
    居心地がいい彼との関係を変えることを 恐れていた。

    けれど 今ならわかる。
    もっと早く 愛を自覚していれば 二人の過ごした時間は 
    昨夜のように素晴らしいものだったはず。

    オスカルは思い出します。
    ノルマンディーの海岸を駆けていた時
    愛を自覚していれば 
    きっと 彼の腕の中で同じ時 同じ風 同じ潮の香を感じられただろうに。

    あの時 ロザリーがいなかったら…

    ノルマンディーの別荘は オスカルにとって特別な場所でした。
    ベルサイユの屋敷でも 領地アラスでも オスカルはジャルジェ家の時期当主。
    けれどノルマンディーの別荘では それらが幾分か和らぎ 
    ほとんど人のいない海岸では 一個人に戻れるのでした。

    子供のころから幾度となく この地を訪れ
    小さなころは アンドレと貝を拾い 耳に当て
    少し大きくなったら 馬で駆け

    辛いこと 哀しいことを 波に託し 潮風に癒されたのでしょう。

    オスカルが自分に戻れるこの場所なら
    アンドレと 愛を語らうこともできたのに

    オスカルは夢をみます。

    本当は時間を戻してほしい。
    まだ 二人が 健康な頃へ

    時空を超えて
    あの海岸へ

    タイムふろしきをください!

    馬の振動に身をまかせ
    オスカルは 夫の面影を追い続けます。

    もはや 彼の幻にでも縋らなければ いられないほどに
    オスカルは 心を失いかけていたのです。

    かつてジェローデルが言っていた
    「栄えたものも いつかは滅びる そして新しい陽を浴びねば 人は生きてはいけぬ」
    古い世界を捨て 新しい陽の光であるアンドレを失い 
    オスカルは生きることができなくなりました。

    原作のオスカルとは違い アニばらのオスカルは 
    夫の信ずる道をともに歩く妻になりたかったのです。
    その夫を亡くして また新たな陽の光を見つけられるほど
    オスカルに 生命力はありませんでした。

    とても 疲れている・・・

    オスカルは本当に 心身共に疲れ果てていたのでしょう。
    横になったオスカルは 静かに目を閉じています。

    その瞼の裏には 愛しい人の面影が

    その人は言っていました。

    「この世に生を受ける前から」

    二人の愛が前世からなのであれば 
    きっと彼は来世でも私を愛してくれるだろう。

    そして 私は今度こそ すぐに彼の胸に飛び込めるだろう。

    「聞こえるか 味方の総攻撃の音だ」

    その轟音は 身分制度のない未来につながるプレリュード。
    来世では きっと ふたりは誰からも祝福されて 結婚式があげられるでしょう。

    オスカルには 死は恐ろしいものでは もはやありませんでした。
    アンドレの言葉は オスカルを死後も守り続けていたのです。

    おまえよく見るとハンサムなのだな


    夫の傍へ 明るい未来へ 

    「アデュウ」

    オスカルは静かに旅立ちました。
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    アニばら☆

    前回記事に青林さまが書かれたアンドレの『鳩に憑依』…私もとーっても強く同感です。29話冒頭でアンドレが鳩の大群に餌をやっている場面がありましたよね。あの中の一羽(厳密に言うとアンドレ右肩で羽を休めていた鳩)だと私は勝手ににらんでいます…笑


    そして今回記事で青林さまが書かれた『味方の総攻撃の轟音=身分制度のない未来につながるプレリュード』…素敵、素敵すぎます。観ていて辛くなるばかりの場面ですが、本当にそうですよねー。そう思いながら観ると心が幾分軽くなります。あーそれにしても『未来につながるプレリュード…』なんて素敵なんでしょう。←しつこくてすみません。

    二次創作の方も佳境ですね。
    PCサイトにあった『マルセイユ』『海賊の息子』『アンドレの子守歌』も何度も何度も読みたくなる作品でした。ありがとうございました♡

    Re: No title


    いつもご覧いただきありがとうございます。

    ノルマンディの別荘はアニメオリジナルですが、すごく感じの良いところでした。おっしゃるように、もったいなかったですよね。もっと活用してほしかったな。アニメは告白して結ばれて翌日アンドレ死亡という想いが通じ合ったのがたった一日にも満たない激短な展開でしたが、もう少しふたりの恋人同士の時間があって ノルマンディの別荘でひと時を過ごすなんてエピソードがあったら感涙ものでしたね きっと。

    萌え語りは後少しだけ続きます。読んでいただけたらうれしいです。コメントありがとうございました。

    Re: アニばら☆


    アニメでは鳩さんはじめ鳥さん達が結構活躍(笑)していますよね。カモメとか渡り鳥なんかもいい感じで出演していました。アンドレに集まってエサをもらっていた鳩達が しゃがんでいたアンドレが立ち上がった時一斉に飛び立ったり、立ち去るオスカルと一緒に飛び去ってしまったり、さりげない演出や暗示は動きのあるアニメならではと思うのです。29話のあのシーンではわたしもアンドレにとまってエサをもらいたいわと思っちゃいました(笑)「右肩で羽を休めていた鳩」たしかに一番アンドレに懐いている感じがしました。あっ!もしかしたらあの時のエサのお礼に 体をアンドレに貸してあげた Σ(゚Θ゚)のかもしれないですね(笑)

    『未来につながるプレリュード…』のフレーズ「素敵」と言っていただけて嬉しいです。
    二次創作も気に入っていただける作品があって良かったです。アンドレの子供の頃の話は原作でもアニメでもとても可愛いですよね。新エピソードで池田理代子先生にそんな子供時代をメインにしたお話を描いていただけたらなと思います。チビアンドレと腕白オスカルのワクワクする日常、きっと微笑ましくていいですよね。

    コメントありがとうございました。

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    Re: タイトルなし


    そうなんです。そうなんです。原作と違ってはじめからオスカルの相手役に決まっていたアニばらのアンドレはより密接なつながりがありますよね。

    恋人とか、主従とか、親友とかよりもっと深いつながり。
    何も言わなくても分かりあえる。目くばせだけで 想いが通じるような。

    ただ、なんの邪魔もないというわけではなかったと思います。
    やはり、身分の差は大きな壁となっていたはず。それが二人の気持ちに大きくブレーキをかけてしまっています。

    想い合いながら 手をのばせば届くところにいながら 自分を押さえ込んでいる二人を見るのはとても辛いです・゚・(つД`)・゚・ わたしも分かっていても いつも泣いてしまいます。本当に素晴らしいアニメですね。

    ニックネームはお気になさらず、ゆっくり考えてみてください。こちらこそ、勝手を言ってすみません。コメントありがとうございました。
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    青林

    Author:青林
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    ただいま、コメントへのお返事は基本的にはしておりませんが、頂いたコメントは大切に読ませていただいています。ありがとうございます。

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