袖すり合うも多生の縁<1>

    閲覧注意

    アクアスキュータムとベルサイユのばらのコラボ漫画
    「ロンドンの休日」のSSです。

    ご存じない方はこちらをどうぞ
    http://www.renown.co.jp/LoveandTrench/

    フランスではなく 架空のヨーロッパの小国に住んでいます。
    オスカルさまが 肉食系で品性が少しありません。
    アンドレ君がおまぬけです。



    カタン…

    頭のどこかで 歯車の動き出す音がした気がした。

    彼を見た瞬間に…

    「おい 嫌がっているだろう」
    そう言うとフェルゼンは 風のように姫をさらっていってしまった。

    あの欧州歴訪以来 アントワネット様は変わられてしまった。
    窓辺に座り 花咲く庭を眺めるのではなく 空ばかり見上げている。

    以前のアントワネット様は公務に積極的で、慈善活動にも熱心なお方であった。
    「王族に生まれたのですから その責務は果たさなければいけませんものね。」
    そう言うのが常であった。

    また 質素倹約を旨として 贅沢はなさらず 遊興もなさらなかった。
    「わたくしの使うお金は税金ですもの」
    そう言って たまの息抜きを周りが勧めても 決して乗らなかった。
    そのうえ美貌のプリンセスであったから 国民の人気は大変なものであった。

    ただ、オスカルとアンドレには そんなアントワネットが幸せそうには見えなかったのだが。

    そのアントワネットが こっそりホテルを向け出した時 
    ふと、オスカルの脳裡に 着飾り嬉しそうにはしゃぐアントワネットの姿が浮かんだ。
    なぜそんな姿が思い浮かんだのか オスカルには分からなかった。
    嫌な予感がする。ただ、そう感じただけだ。

    アンドレがアントワネット様に 一日だけでも自由な時間をというのはよくわかる。
    日頃 精力的に公務を励まれ 私的な時間を持とうとされていない方なのだから。
    けれど オスカルの不吉な予感は消えなかった。
    そして、あの男フェルゼンの登場はオスカルの不安を増々大きくした。

    フェルゼンが姫に近づくと 訳もなくハラハラする。
    なにか とんでもない不幸が姫に降りかかるのではないか。そんな気がするのだ。

    その不安は姫の手をフェルゼンが握った瞬間に爆発した。

    "いけません!アントワネット様 その手を取っては!"

    オスカルが突然飛び出そうとしたので 慌ててアンドレが押さえた。
    「落ち着け オスカル!!」
    アンドレに押さえられ オスカルはようやく 感情を抑え込んだ。

    「いったいどうしたと言うのだろう?わたしは…」
    落ち着いてみれば あれくらいのことで 取り乱した自分が恥ずかしい
    「だからさ おまえは過保護なんだよ。オスカル。
    今まで男性と付き合ったことの無い姫様が急に恋人同士みたいにデートしているから 
    見ていてハラハラしたんだろ。」
    「・・・」
    「オスカル。おまえ 男と付き合ったことないから わかんないんだろうけど 
    あれくらいは友達でもするよ。
    フェルゼンのしていることは 別にいやらしいことでも なんでもないさ。」
    「ばっばかにするな!わたしだって 男のひとりやふたり…」
    「へーそいつは 初耳だ。誰だ そいつ」
    「おまえに 教える義理はない」
    「いないんだ」
    「いるさ!えーと そうだ!ベルナールとアラン ほらこれで二人だ。」
    「それは おれの友達」
    「今はわたしの友達でもある。」

    アンドレはこれ以上 苛めるのは止めることにした。
    友達じゃなくて 付き合ったことのある男って意味で聞いてるんだけどと言いたかったが、
    これ以上変につついて もし本当に男と付き合うなんて言い出したら大変だからだ。
    彼女は負けず嫌いの頑固者なのだ。

    オスカル自身は自覚がないが 彼女を狙っている男は多い。
    男性の多い職場なので男性の知り合いも沢山いる。
    けれど、オスカルは女を武器に仕事をしたくないと思っている。
    その思いのせいか 必要以上に愛想がない。職場ではそんな彼女のあだ名は"氷の花"だ。
    当然、誘われても個人的な付き合いは断り続けている。

    ベルナールとアランは 付き合いの始まりがおれの友達というところからだったから 
    おれと一緒に、食事に行ったり、遊びに行ったりした。

    だから オスカルがおれ以外に一番親しい男と考えると 彼らが一番に思い浮かんだのだろう。
    つまり、オスカルにはおれ以上に親しい男はいないということだ。

    「何をニヤニヤしとる!姫様が移動されるぞ」
    オスカルが赤い顔をして 怒ったように言う。

    楽しい時間は瞬く間に過ぎてしまう。

    「アントワネット様」
    飲み物をフェルゼンが買いに行った隙にオスカルが声をかける。
    そのオスカルの肩を借りて アントワネットはひとしきり泣いた。

    (つづく)
    スポンサーサイト

    コメントの投稿

    非公開コメント

    管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

    管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

    Re: No title


    わざわざ、調べていただいたのですね。
    ありがとうございます。

    他人の間違いなど 影でせせら笑う人の方が多いなか 
    こうして教えていただけるのは本当にありがたいことです。

    過去にも教えて下さる方がいらっしゃり、とても、助かりました。

    今回は たまたま 間違いではなかったですが
    その事に ふたたび 謝罪のコメントまでいただき
    とても 誠実な方なのだと感じました。

    どうか お気になさらず、また、青林がおかしなことをしていたら
    どんどん指摘なさってくださいね。

    コメント ありがとうございました。

    管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

    Re: 楽しかったです!

    お仕事 お疲れさまでした。って、もう出勤の時間かもしれませんね(笑)

    おもしろいと言っていただけて とっても嬉しいです(o^-^o)
    「ありです」と言っていただけるのも めちゃくちゃ ほっとします。
    どうしても 二次創作はイメージを壊してしまうことがありますから。

    楽しんでいただけて 良かったです。
    どうか 体調に気をつけて お仕事なさってくださいね。
    コメントありがとうございました。

    管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

    Re: No title

    お返事ありがとうございます。

    そうでしたか、同じ立場の方だったのですね。
    わたしもよく間違えるので指摘していただけると本当に助かります。

    拙い作品ではありますが 楽しんでいただけたら幸いです。
    よろしければ またぜひ 見にいらしてくださいね。

    sidetitle最新記事sidetitle
    sidetitleプロフィールsidetitle

    青林

    Author:青林
    ”ベルサイユのばら”の二次創作サイトを作っています。ぜひ遊びに来て下さいね。

    青林サイトへ

    ただいま、コメントへのお返事は基本的にはしておりませんが、頂いたコメントは大切に読ませていただいています。ありがとうございます。

    sidetitleカレンダーsidetitle
    10 | 2017/11 | 12
    - - - 1 2 3 4
    5 6 7 8 9 10 11
    12 13 14 15 16 17 18
    19 20 21 22 23 24 25
    26 27 28 29 30 - -
    sidetitleカテゴリsidetitle
    sidetitleリンクsidetitle
    sidetitle月別アーカイブsidetitle
    sidetitle検索フォームsidetitle
    sidetitleQRコードsidetitle
    QR