袖すり合うも多生の縁<23>

    けれど やがて子供は成長する。
    初等部を終え 中等部に進んだ頃 
    クラスの女子の間でちらほらこんな会話が聞かれるようになった。

    「わたし 彼氏ができちゃった」
    「きゃー!!いいな」
    「わたしなんか もうキスしちゃったのよ」
    「えっ マジで?!」
    「これこれ これつけてさ 目を瞑って 口を付き出したの」
    チェリーピンクのグロスを見せながら得意げに話す。

    オスカルはこの手の話になると聞き役になってしまう。
    自分にはそういう経験がないのだから 仕方ない。
    でも 興味がないわけではない。少々焦りもある。

    「あの オスカル先輩 アンドレ先輩の彼女さんなんですか?」
    こんなことを聞いてくる女の子が 時々いる。
    「違うよ。」
    そういうと その女の子は安堵の表情を浮かべるのだ。
    嬉しそうに去って行く 女の子に手を振って見送ってやるのだが 内心複雑だ。
    そして、しばらくすると大抵その子は暗い顔になってしまうのだ。

    アンドレは女の子に興味がない。どんな女の子が告白しても その場で断ってしまう。
    アンドレと そろそろ 兄妹から恋人になりたいと思っている。
    けれど自分も告白すればあんな風に断られてしまうだろう。
    だったらこのままの方がいいのだろうか?

    いいわけない

    そんなの 全然 いいわけない。

    だったら アンドレをその気にさせるしかない!

    こうして オスカルのアプローチ大作戦は幕を開けたのだ。
    そしてこれが何年 いや十年以上続く 不毛の戦いであることに 
    オスカルはこの時気づいていなかった。

    (つづく)
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