Bon anniversaire! ジェローデル

    今日はジェロさまのお誕生日です。

    やはり、マドモアゼルは年下は御趣味ではなかったのでしょうか?


    フェルゼン伯爵のお誕生日の時 彼を「熱き貴公子」とお話しましたが
    ジェロさまは さしずめ 「知の貴公子」というところでしょうか。

    常に理性的で エレガンス。
    繊細にして 大胆。

    そんな ジェロさまと オスカルさまの会話は とてもスマートです。

    彼は、オスカルさまに
    「きみは…自分の容姿に自信があるか?」
    と問われ、理論的な答えを返します。
    「近衛隊に入隊するには あるていど ととのった容姿が 必要とされます
    だから…入隊をゆるされたということは すこしは自信をもってもいい
    ということなのじゃないかと 思っていますが…」

    唐突な質問にもかかわらず 幾重にも見事な答えです。

    まず 自分の容姿を 単純に「自信があります」と言うのは
    傲慢な感じがしてしまいます。
    それを 他人の評価(近衛に入隊が許された)ということに置き換えています。

    さらにそのままでは 他人任せになってしまうのを 
    「すこしは自信をもってもいい ということなのじゃないかと 思っていますが…」
    と自分の心情を付け足すことにより 自分の意見にしています。

    さらに凄いのは この時 オスカルさまがなぜ こんな質問をされるのだろう
    というところにまで 考えが及んでいるところです。

    彼はオスカルさまの質問に 包み込むような微笑みを浮かべて答えています。
    その顔はまるで
    「どうかなさいましたか?マドモアゼル」
    とでもいいたげな表情です。

    彼の答えた「近衛隊に入隊するには あるていど ととのった容姿が 必要とされます
    だから…入隊をゆるされたということは すこしは自信をもってもいい
    ということなのじゃないか」という言葉はそのまま 
    オスカルさまにも当てはまる言葉なのです。

    こうすることで オスカルさまがなにか容姿について 悩みがあるとしても
    あなたの美しさは近衛のお墨付きと暗に伝えることができます。
    あなたは美しいと言ってしまうと お世辞のようで、オスカルさまは納得されないだろうし
    そんなことは 今まで散々言われ続けてきた言葉で いまさら なんの新鮮味もなく 
    心に響くことはないと考えられます。

    けれど このそつのない答えに オスカルさまはさらに 謎の返事をされます。
    「ふむ…やっぱり飾り人形か…」

    さすがの ジェロさまにも この言葉には とっさに返すことができず
    「え?」
    と戸惑うしかありませんでした。

    そして ここでも ジェロさまらしさが発揮されます。
    自分が納得がいかなくても あえて踏み込んだりしないということ。
    「隊長 それはどういう意味でしょう?」
    などと 問いただしたりはしないのです。
    オスカルさまが 言う意思のないことを ことさら 追及したりはしないのです。

    こんな風に 常に冷静で 理路整然としたジェロさまを納得させるため
    オスカルさまも 論理的に 結婚をする意志はないのだと伝えようとします。

    が、ジェロさまの方が一枚上手でした。

    「愛はいとしい人の 不しあわせをのぞまないものだが…」
    とオスカルさまは問いかけ ジェロさまに
    「アンドレが不幸になるなら自分も不幸になってしまう 
    わたしの不幸を望まないなら この話をなかったことにしてほしい」
    と話します。

    ジェロさまは瞬時にこの理論の本質を見抜きます。
    だれかの不しあわせが自分の不しあわせであるなら
    「愛はいとしい人の 不しあわせをのぞまないもの」という理屈に当てはめれば
    自分はそのだれかを愛しているということ


    さらにオスカルさまご自身は これに気づいていないと 推察しています。
    ですから 「そう言われるなら あなたはアンドレを愛してるということなのですか」
    などと オスカルさまの揚げ足を取るような 言い方はせず

    ストレートに
    「愛して…いるのですか…」
    と問いかけます。

    これに 驚いた顔をするオスカルさまを ジェロさまは
    「ご自身で さっき 言ったことですよ なに驚いてるんです?」
    なんて 意地悪な感情は持たず 真剣に誠実に答えを待つ表情をされます。

    「…わからない…」
    おそらく ジェロさまを説得するべく 理論武装してきたであろう オスカルさまですが
    このような 反撃を予想してはおられなかったのでしょう。
    呟くような この言葉に 戸惑いが感じられます。

    それを見て ジェロさまは オスカルさまの理屈に納得した形をとって 身をひきます。

    「それだけで じゅうぶんです… 納得しましょう
    わたしもまた…あなたが不幸になるなら この世でもっとも
    不幸な人間になってしまうから…です」

    おそらく 理論という意味では ジェロさまはオスカルさまをしのぐのかもしれません。
    けれど それをひけらかすことも 理詰めで相手を追いつめることも良しとしません。

    そんなことに害はあっても 意味などないと解っていらっしゃるのでしょう。

    その点においても 真に知性溢れる方なのですね。

    誰よりも聡明でありながら 相手を立てる度量がおありで
    知におぼれることなく 謙虚に物事を見定められるのです。

    わたしは エピソード5を読むまで 彼の本編最後のモノローグを理解していませんでした。

    「あ…あ きみは知りたまわずや 御身が血に
    御身が血に紅く そまらんよりは

    よし むほん人となりて 断頭台にたたん
    わが シルフィールド…」

    この文にちゃんと書いてあるし、その前に アラン達が銃殺を言い渡されてるし
    ジャルジェ将軍はオスカルさまを成敗しようとしたのに

    わたしはうかつにも ジェロさまの決死のお覚悟がわかっていませんでした。

    命令違反とは 死罪にも値する重罪なのですね。
    それなのに わたしはなんだか ジェロさまがこの後
    重い刑罰を受けたのではないかと想像できませんでした。
    オスカルさまがお咎めなしだったせいもありますが

    ジェロさまがあまりにも やさしく 賢く いらしたので 気がつかなかったのです。

    それに気づいたのは エピソード5で ジェロさまが営倉入りをされたと知ってからでした。

    ジェロさまが会議場に到着された時は もちろん 命令違反などする気はありませんでした。
    しかし オスカルさまの登場で 事態は一変します。

    わたしはジェロさまは「…マドモアゼル…」と呼びかけられた時には
    全ての計算が済み 覚悟が決まっていたのではないかと思います。

    すなわち このまま自分が任務を遂行すれば 
    彼女は命を捨ててでも 議員を守り抜こうとするだろう 
    ただで済むはずはないと 

    彼女の身を危険にさらすわけにはいかない。
    さらに 彼女の心に負担をかけてもならない。

    そこで ジェロさまは 静かに語り始めるのです。
    それは優しく 説得力のあるものでした。

    そして このひとことで 完全にオスカルさまの心の負担を取り除くのです。
    「彼らが武器をとる日まで…その日までまちましょう」
    この言葉が投げかけられたことにより

    なんとなく ジェロさまは このまま無事に歴史を静観されるような錯覚をしてしまうのです。
    けれど 本当はモノローグが語っているように 
    自分は近い未来 ギロチンにかかるかもしれない。と覚悟を決められていたのです。

    あ…あ あなたは知らないでくださいね。
    あなたが血に染まるより わたしがギロチンにかかる方がいいと思って軍を引いたことを…

    そんなふうに考えていらしたのではないでしょうか。

    もし オスカルさまが 自分のせいで ジェロさまが 
    ギロチンにかかったと知れば 心をひどく傷まれるでしょうから。
    もちろん この後 本当にジェロさまがギロチンにかかることがあれば 
    それはオスカルさまの耳にも入ってしまうかもしれませんが。

    だからこそ 「きみは知りたまわずや 」なのですね。
    そうなったとき そのことを 知らずにいてほしいと願っているのです。

    オスカルさまに 「あなたが そんなことをなされば わたしは任務を遂行できず
    ギロチンにかけられてしまうかもしれないのですよ。」そう言ってしまえば
    優しいオスカルさまは 躊躇なされるかもしれません。
    その隙に 彼女を拘束して 会議場から議員を追い出すこともできたかも。

    けれど それでは オスカルさまの心に 深い傷を残すことになります。
    それは断じてあってはならない。

    ジェロさまは オスカルさまの為に そうとは気づかれぬよう
    静かに 命を懸けられたのです。

    あまりに静かに あまりに優しく あなたがわたしのそばに いたものだから
    わたしはその愛に気づかなかったのです。


    アニメのオスカルさまが アニメのアンドレのことを言った言葉ではありますが
    わたしには ジェロさまにこそ ふさわしいのではないかと思えるのです。

    ジェロさまが求婚されて初めて オスカルさまは彼に長いこと愛されていたのだと知りました。

    幸いジェロさまは断頭台に立つことなく 営倉入りになりました。
    そのことが結果的に 自分は生き長らえ 
    彼女が出陣するのを 止めることができず 死なせてしまうことになりました。

    彼がこの結末の理由を求めて パリへ旅立つところで エピソード5は終わっています。
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