袖すり合うも多生の縁<44>

    ルイ君について 去年、コメントをいただいていましたのでサイトの文章に追加しました。
    ついでにアランとピエールの事も書き足しました。
    ピエールはピエールぼうやではなく、ピエール・モーロワです。
    これに伴い サイトの方も修正いたしました。
    冷奴様 ぱんだりん様コメント、ありがとうございましたo(^▽^)o





    年が明けて 春がきた。国中に紅薔薇が咲き乱れ
    そのどの紅薔薇よりも美しい プリンセスが結婚式を挙げた。

    隣に立つのは生まれながらのプリンスよりもそれらしいフェルゼン。
    彼はこの日、本物のプリンスになった。

    この美しいシンデレラボーイに世界中のマスコミが食いついた。
    結婚式の様子は世界中で中継され、まるでおとぎ話から出てきたかのような王子様と王女様は
    たちまち世界中を魅了したのだ。

    おかげで 我が国の知名度はいまだかつてないくらいにあがった。
    お二人の姿を一目見ようと連日観光客が詰めかけ お二人のグッズは飛ぶように売れた。

    マリア・テレジア様は「ルイ王子と結婚するより国益になったわ」と喜ばれ 
    フランツ国王は"マスオさん"仲間が出来て肩身が少し広くなった気がした。

    アントワネット様は結婚後も 慈善事業にフェルゼンとともに積極的に取り組まれた。
    やがて 可愛いお子も生まれ 『国民の模範となる夫婦』になられた。

    ちなみに 隣国のルイ王子だが 彼は結局 生涯独身であった。
    しかし、彼ほど 多くの愛を得たものもいないだろう。
    世界中の人々 否 世界の動植物にもおそらく感謝されたに違いない
    様々な発明、発見をしたからだ。

    中でも 自然エネルギーだけで 廃棄物を一切出さず 存続可能な村は人々を驚かせた。
    なにが凄いかというと その村は都会となんら変わらない快適さを実現していたからだ。
    わずかな太陽光 少しの小川でも 最大限の電力を生み出し 
    その電力で使われる家電は 最新の設備を備えていながら 
    使用電力は従来の十分の一にも満たない。

    こうして 村内にあふれた電力は 天候を自動で察知する 
    開閉式温室などのオートメーション農業に使われ 村に農産物をもたらした。

    村内はほとんどの建物 家財道具が 木で作られていて、
    老朽化すれば また朽ちて土にかえり肥料となり次の木を育てる。
    そのサイクルシステムを 劇的に効率良くする細菌もまた ルイの発見であった。

    彼の功績をたたえれば きりがないが もっとも良く売れた発明品といえば やはり
    自動献立マシンと その一年後に発売されたシリアルメーカーであろう。

    これは 指をセンサーに当てるだけで 健康状態を計測し 
    最適な献立を考案してくれるという商品だ。
    もちろん スレンダーなボディー アスリートの筋肉など
    希望の体作りを設定することが可能だ。

    さらに シリアルメーカーは この健康データーから 
    内臓された様々な穀物 ドライフルーツなどを組み合わせ
    シリアルを作ってくれるものだ。発売以後 多くの家庭の朝食がこれになった。
    この二つの発明により 世界中の人々の健康は著しく向上した。

    彼は世界中の人々からいつも感謝と尊敬を受け
    それに応えるかのように 生涯研究や開発を続けた。 
    けれど これはまだまだ未来のお話である。

    ロザリーもアントワネット様と同じ年の秋に結婚した。
    介添えをオスカルが努めようとしたのだが 彼女だけ 他の娘より大きい上 
    花冠にシフォンの衣裳がどうしても 似合わなくて止めた。

    アントワネット様の大聖堂での挙式も素晴らしかったが 
    ベルナールの母親が眠る片田舎の教会での式も 温かくて 可愛らしくて 良かった。

    アンドレとアランがベルナールの介添えを務めているので 
    オスカルはアランの妹ディアンヌと並んで座っていた。

    「ディアンヌ おめでとう 結婚が決まったんだってね。お兄さんに聞いたよ」
    そう言うと彼女は恥ずかしそうにした。
    「オスカルさま 式にはいらしてくださいますか?」
    「もちろん喜んで出席するよ」
    「式では ピエールの作ったケーキを振る舞います。ぜひ召し上がってくださいね」
    ディアンヌの婚約者はパティシエで パリの有名店で修業を積んでいたのだが
    この結婚を機に帰って来て 店をひらくのだそうだ。

    『おれは甘ったるいのが嫌いなのに ちきしょう!』
    アランがそう言って 嬉しそうに妹の結婚が決まったことを教えてくれた。

    このアランも数年後 ディアンヌに良く似た奥さんをもらった。
    この奥さん、顔こそディアンヌ似だが中身は全く違った。

    バリバリのキャリアウーマンで 一流企業で優秀な男性陣に囲まれながらも 
    常にトップの営業成績を誇っていた。

    「意外だな。アランはディアンヌみたいなおとなしい子が好みだと思っていたのだが」
    オスカルはアランの彼女、カトリーヌを紹介された時 そう言った。
    「そうか アランは昔から 気の強い女が好きだったぞ」
    ちらっとオスカルを見ながら べルナールはクスッと笑った。
    その視線の意味をオスカルもアンドレも気づくことはなかった。

    情報部のジェローデル少佐も結婚が決まった。
    フェルゼンの妹 ソフィア嬢といつの間にか 付き合っていたのだ。
    式は ジェローデル伯爵領にある 教会で挙げることになっていた。
    アンドレも一緒にぜひと オスカルは招待を受けている。
    そこは 湖のほとりに白亜の古城のあるロマンチックな場所だ。

    愛の形はそれぞれであるのだから 結婚式も色々だ。

    ”それにしても 立て続けに皆結婚してしまったな
    わたしの時はどうしよう?”

    オスカルは 祭壇の前で ベルナールの横に立つ アンドレを見つめながら考える。
    色々忙しくて何も決めていない。
    今、彼は丁度指輪をべルナールに渡すところだ。
    彼の指には 今日も黒曜石の指輪が光っている。
    結局あの指輪をわたしたちは婚約指輪にしてしまったのだ。

    タキシードを着た彼は ベルナールには悪いがカッコいい。
    彼の横に立つわたしはどんなドレスを着ればいいのだろう?
    可愛い感じはダメだな ロザリーの介添えの一件で懲りた。

    やがて 皆が立ち上がり讃美歌を歌い司祭が高らかに二人が夫婦になったことを宣言した。

    教会の入り口でロザリーが外にいる皆に背を向けて
    後ろ向きでブーケを大きく空に投げた。
    弧を描いてそれは ディアンヌの手の中に落ちた。

    拍手がわきあがり ロザリーがディアンヌに駆け寄った。

    (つづく)
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