おれの気持ちー7-

    せっかくやる気になったおれだが 困った事になった。目が見えづらくなってきたのだ。
    このままでは 助けるどころか足手まといだ。
    オスカルがこの事を知ればおれは軍を辞めさせられ 屋敷から出してもらえなくなるだろう。
    そうなればオスカルを世間の荒波にひとりでさらす事になる。断じてできない。
    おれは暇を見つけては兵舎でも屋敷でも目をつぶっても歩けるよう訓練した。
    そして色々なものを この目が見えているうちに憶えておこうと思った。
    仲間の顔と声や足音 オスカルが見るであろう景色も。

    オスカルの事はもう憶えている。
    笑った顔も 怒った顔も 泣いた顔も 髪の一本一本まで全てを憶えている。
    おれが知らないオスカルの顔はたったひとつだけ。
    そしておれがそれを知ることはないのだ。

    時代は急速に進んでいるようだ。衛兵隊は激務に追われていた。

    おれの訓練は順調に進んでいる。今のところばれてないようだ。
    兵舎ではアランが お屋敷ではおばあちゃんとピエールが協力してくれている。

    そんなある日  オスカルがいつの間にかそばに寄って来て おれの胸に寄りかかってきた。

    "かわいそうに・・・つかれきっているのか・・・ 女の身でなぜこうまで・・・"

    顔を覗き込む。うん? 寝たふりだ こいつめ

    ”かわいい キスしたい”

    出来るわけがない。

    "もうにどと こんなことはしない"

    その誓いは破れない ああ・・・だけど 頬に触れるくらいなら大丈夫だろうか 
    手を伸ばしてみてもいいだろうか。少しくらい髪を撫でてあげても良いだろうか。

    いや やっぱりそんなことは 出来ない・・・

    「アンドレ…」
    オスカルが目を開けた。いたずらな目をしておれを見る。
    「もう…どこへも嫁がないぞ…一生…」
    ふふ とオスカルが笑う。嬉しい誤解をしてしまいそうだ。
    おれのために結婚をしないでいてくれるのだと。
    泣いてしまいそうだ。でもおれは強くなると決めたのだ。おまえの助けになるために。
    泣き虫なおれは卒業だ。泣いたりするものか。おれは上を向いて目頭をおさえた。

    FIN

     ”おれの気持ち” は今回で終了です。お読みいただきありがとうございました。
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