ドラクエ7 SS 「二人の力で…」<2>

    (あの時のオレは かなりイっちゃってたな)

    キーファは皮肉な歪んだ笑みを浮かべた。
    アルスは何も言うことが出来ない。
    ただ、一筋 頬を涙が流れた。
    何故だか、アルスには分かったのだ。
     
    その時のキーファの 絶望感 そしてそれが怒りに変るのが。

    (オレの心に闇が生まれ それが魔王に付け入る隙を与えた。
    オレは魔王に捕らえられ 同化させられ 神の殻の中に閉じ込められた。

    魔王の中でジャンは命を取り留めたことが分かったが
    その時にはもう遅かった。

    それから、何年も 何十年も 何百年も 気の遠くなる時間を
    徐々に増大していく魔王の力を感じながら過ごしていたんだ)

    キーファはアルスを見つめる 真っ直ぐに。

    (終わりにしてほしい。アルス。おまえにしかできない)

    (どうして?どうして ボクに出来るとおもうんだよ!
    君を殺すなんて 出来るわけないじゃないか!)

    (アルス。お前は希望なんだ。
    魔王はオレを取り込んだ時、オレの記憶からエスタード島のことを知った。
    いずれ自分の贄となるオレの存在を消さないためにエスタード島は封印を免れた。

    そして、この事態を感知出来た方々がいた。海底王もそのお一人だ。
    水の精霊の加護を受けし最強の海賊王を父に持つ希望の子。
    その子を守るのに一番安全なところは 魔王が手出しできない場所。
    つまりオレの傍というわけさ。
    おれの傍で シャークアイの子供が違和感なく誕生できる場所。
    それはエスタード島一の海の男ボルカノのところしかないだろう)

    (ボクがシャークアイの子供?)
    (とぼけるなよ。うすうすわかってたんだろ。
    その痣がなんであるか知った時から。 
    オレは魔王と同化していたから 動くことはできなかったが 
    世界のことは何でも見ることが出来た。お前の旅もずっと見ていたんだ
    オレが完全に魔王に囚われずにいられたのも
    いつか お前が来てくれると信じていたからだ)

    (……)

    (ギガジャティスの効力がもうすぐ切れるな。頼むアルス終わらせてくれ)
    (嫌だ!出来ない!)
    (頼む アルス オレを… 世界を… そして、オレの子孫を救ってくれ)
    (子孫?)
    (アイラだよ。実はライラのお腹にはオレの子供があの時いたんだ)
    (…えっ?)
    (ふんっ お子ちゃまのアルスには分からないか?)
    (えっ!!!! いくらなんでも手が早すぎるよ!!!!)
    (ふざけた気持ではないぞ。ちゃんと嫁にするつもりだったし…)
    (いや…でも…だからって…)

    キーファはアルスがあたふたしている隙にそっと突き飛ばした。
    アルスの魂がグーンと体に引き戻される。

    (オレを救ってくれ…)

    キーファの声が遠くなる。

    時が動き始め 氷の刃がアルスの頬をかすめ 血が涙の痕に重なる。
    「しっかりしてくだされ!アルスどの!」
    メルビンの声にアルスは意識を取り戻す。

    その時、魔王の動きが止まった。

    (アルス、聞こえるか?ギガジャティスのおかげで 
    一時的にオレの意思で魔王を止められた!今のうちにとどめを刺せ!!!!)

    (つづく)

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