天使のくれた七日間ー1-

    ベルばら三が日 中日ですね。
    当ブログでも 三が日企画として 新連載をスタートします。
    何故 今日からかというと このお話は225年前の今日 つまり
    アンドレが死んでしまうところから 始まるからです。

    今日から一日置きにupする予定です。
    まとめて読みたい 早く読みたい方は
    サイトの方には 全文upしてありますので そちらをご覧ください。
    それでは天使のくれた七日間スタートです。




    やっぱり アランの言う通りだったか。戦闘が始まっておれは自分の見通しの甘さに後悔していた。
    覚悟の参戦だったが いざ戦場に立つとまったく周りの状況がわからなかった。
    どちらに敵がいるのか。味方はどうなっているのか。
    それどころか自分がどこにどっちを向いて立っているかすらわからない。
    すぐ横を銃弾が掠めてく気配がする。自分の打った弾がちゃんと敵に向かっているのか。
    弾を込め直しながらおれは焦っていた。

    「アンドレ!」
    フランソワの声だ。
    「アンドレ もうすこし 右だ右!」
    友は約束を忘れていなかった。彼の指示でおれはようやく 戦闘に参加できている気がしていた。
    だがそれはおれの勘違いだった。
    戦場において自分自身の戦闘に集中できないということは 恐ろしく危険な行為だ。

    「ぐっ!」
    フランソワ?声が途絶える。
    「わーっフランソワ!!」
    ジャンの声。すぐにオスカルが叫んだ。
    「ジャーンーッ!!」
    なにがどうなっているのか さっぱりわからない。
    おれは耳を澄ますしかできなかった。
    戸惑う暇もなくオスカルの咳き込む声が聞こえた。
    考えるより先に体が反応した。 声のする方へおれは迷うことなく馬を向けた。

      ガガ・・・ン ガンガン

    焼け付くような衝撃が全身を貫いた。体が馬からずり落ちた。
    「アンドレ-ッ」
    アランだ。
    「ユラン伍長 あとの指揮をまかせる」
    オスカルの声だ。いけないオスカルおまえは皆の隊長なのだから 
    おれ一人のために動いてはだめだ。
    「し・・・指揮をつづけろ・・・」
    「しゃべるな!」
    「隊長が・・・な・・・ぜ・・・せ・・・戦闘現場をはなれ・・・る・・・」
    「しゃべるな!」
    オスカル 可哀想なおれのオスカル おれを運ぶおまえの叫びが全身から伝わってくる。

    "どうしたの・・・ 愛しいわが・・子 なぜなくの・・・
    夜のとばりに おび・・・え・・たかしら
    降り継ぐ・・・あ・・雨に 哀しくな・・・なったのかし・・・ら・・・"

    「う…歌をうたってる・・・!?」
    「だめだ!!ひとまずよこにして 止血を!!」
    おれは地面に下ろされた。銃声は止んでいた。戦闘が終わったようだ。
    もうおれは だめなのだろう。愛しいオスカルおまえが見たい。
    オスカルの顔を指で辿る。その感触からありありとおまえが見えた。
    ああそうだ。おれはどれだけこの美しい人のこの顔を愛撫してきたのだろう。

    「ア・・・」
    「あ・・・あ そうだ唇・・・」
    今まさに彼女の唇がおれの名を呼ぼうと開いていた。
    「なにか・・・いっている・・・?」
    「見えてないのか!?見えてないのか!?」
    「い・・・いつからだ!?アンドレ!! いつからだーっ!?
    な・・・なぜいわなかった!?なぜついてきた!?」

    「このばかやろう!!!!!」

    ああオスカル まるで炎のように燃えさかっている・・・血の気の多い激しさ・・・

    そんなおまえがずっと好きだった。これからもずっと・・・

    「み・・・ず・・・を・・」
    「みず・・・?あ・・・ す・・・すぐもってきてやる。まっていろ」
    オスカルは全力で駆け出した。

    「あ 隊長!おれが行きます。」
    立ち上がりかけたアランをおれは止めた。
    「なんで・・・?アンドレ・・・」
    「オ・・・オスカ・・ルにおれがい・・・逝くとこ・・・みせるわけに・・いかな・・い 
    あいつは・・・あいつは・・・おれなしに・・・は・・・いきられ・・・ない・・」
    「だったら・・・だったら! 死ななきゃいいだろー!!!」
    「は・・・はは・・・むちゃ・・・いう・・・な・・・」
    ほぉとアンドレは苦しい息をした。かたわらのこの青年はおれが頼めば きっと
    オスカルを命がけで守ると誓ってくれるだろう。そしてそれを本気で生涯 破る事はないのだろう。
    若いアランにそんな重荷を背負わせるわけにいかない。
    オスカルのお守りが大変なのは 自分が一番よく知っている。
    それにそんなこと言わなくても アランは勝手にオスカルを守る。
    なにせ 彼は・・・

    「アンドレ! 隊長はおれが絶対守る。約束する。だから 心配するな!」
    ああ こいつ自分から重荷を背負いこんじゃったな。アンドレは微笑んだ。

    遠く オスカルの駆け足が聞こえる。もう逝かなければ。オスカルに死ぬところは見せられない。

     ときはめぐり めぐるとも
     いのち謳うもの
     すべて なつかしき かの人に
     おわりなき わが想いをはこべ

      わが想いを・・・はこ・・・べ・・・

    アンドレは静かに目を閉じた。少し遅れてガラスの割れる音がした。
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    青林

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    ただいま、コメントへのお返事は基本的にはしておりませんが、頂いたコメントは大切に読ませていただいています。ありがとうございます。

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